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ベネフィット・ワンのニュース
■ベネフィット・ワン<2412>の事業概要
3. 会員数の推移
ユーザー課金型ストックビジネスモデルであることから、会員数が積み上がるにつれて業績も拡大する。累計会員数は、多角化の効果もあり順調に会員数を拡大してきた。2019年4月の総会員数は761万人。その内訳は、福利厚生会員が508万人、CRM会員が117万人、パーソナル会員が136万人であった。
総会員数は、2020年3月に900万人超、翌月の4月に1,000万人突破を計画している。大幅増加を予想する背景には、働き方改革がある。働き方改革法により、同一労働同一賃金が大企業において2020年4月から、中小企業は2021年4月から適用される。同一労働同一賃金は、賃金だけでなく、福利厚生、キャリア形成・能力開発などが対象となり、非正規労働者に対しても従業員並みの福利厚生を提供することが求められる。大企業の一部は先取りして、2020年3月期中に導入するだろうが、多くは来年4月からのスタートとなるだろう。福利厚生会員数は、2019年4月の508万人から2020年3月に563万人へ、同年4月には715万人と急拡大することが予想されている。
同社自身はサービスを提供する事業者ではなく、福利厚生会員とサービス提供事業者の間に位置し、サービスをマッチングするサイトとして機能する。サービス提供に当たってのインフラ機能が整備されているため、会員数の増加、サービスメニューの拡大などに連動するコストの上昇は限定的になる。
4. 事業概要
同社は、国内において福利厚生事業、パーソナル事業、CRM事業、インセンティブ事業、ヘルスケア事業、購買・精算代行事業、ペイロール事業を手掛ける。このうち、福利厚生事業、パーソナル事業及びCRM事業が、ユーザー課金型サービスマッチングサイトである「ベネフィット・ステーション」を共通した経営資源とする。ユーザー課金制であるため、サービス提供企業から他サイトのように広告料を徴収せず、その分を割引価格という形でユーザーに還元する。そのため、ユーザーは利用すればするほど、割引メリットを得られることになる。
2019年3月期の連結売上高34,461百万円の事業別構成比は、福利厚生事業が47.8%、パーソナル事業が8.5%、インセンティブ事業が10.1%、CRM事業が1.4%、ヘルスケア事業が27.3%、購買・精算代行事業が2.0%、海外事業が1.0%、その他が1.9%であった。2019年3月期までの3期間の年平均成長率は、福利厚生事業が5.8%の安定成長を遂げ、パーソナル事業が△6.1%、インセンティブ事業が12.5%、ヘルスケア事業が30.3%の高伸長を見せた。パーソナルは、大口協業先の営業方針変更が響いた。ヘルスケア事業は、健康経営を後押しする国策がフォローの風となった。
営業利益は、BtoBの福利厚生事業、BtoCのパーソナル事業とCRM事業が、「ベネフィット・ステーション」を共有していることから、合算された区分となる。同区分は、2019年3月期の営業利益7,641百万円の90%弱を占め、売上高営業利益率は全体の22.2%を上回る34.1%を達成している。法人会員増による会費収入の増加と、経費コントロールの徹底により、収益改善に成功している。インセンティブ事業は、主要顧客のポイント付与・交換が減少したことにより減益となったが、顧客基盤は拡大した。ヘルスケア事業は、大型受注案件を順調に消化し、オペレーションの改善も図られたことから増益、利益率も改善した。健康診断料が売上高に含まれることもあり、売上高営業利益率は平均より低い7.1%にとどまる。CRM事業、購買・精算代行事業の構成比率は相対的に低く、システムの開発負担等もあり収益への寄与はまだ小さい。海外事業は先行投資期にあるが、シンガポールや中国において取引が伸びてきおり、北米でも大型受注に成功している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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