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メディネットのニュース
*12:46JST MDNT Research Memo(6):早期黒字化を目指し、先行投資を実施
■メディネット<2370>の業績動向
2. 財務状況
2023年9月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末から443百万円減少した。主な要因は、流動資産の現金及び預金が前期末比102百万円の減少、売掛金が同46百万円の増加によるものである。固定資産の投資有価証券が同273百万円の減少、保険積立金が同66百万円の減少であった。一方、負債合計は前期末から24百万円増加した。主な要因は、流動資産の契約負債が57百万円の増加、固定負債の株式報酬引当金が19百万円の増加、繰延税金負債が62百万円の減少である。純資産は、第27回定時株主総会の決議による資本金733百万円及び資本準備金1,360百万円の減少並びに利益剰余金2,093百万円の増加に加えて、新株予約権の行使等による資本金577百万円及び資本剰余金577百万円の増加、新株予約権20百万円の増加、並びに当期純損失計上に伴う利益剰余金1,437百万円の減少、その他有価証券評価差額金205百万円の減少などにより、前期末比467百万円減少となった。この結果、自己資本比率は、前期末の90.7%から89.2%となった。
3. 資金調達
同社では2020年9月期に第三者割当増資(新株予約権の発行・行使)を通算4回(第14~17回)実施し、資金2,942百万円を調達した。2023年9月期は、2022年の第18回新株予約権(1,690百万円を資金調達)に続き、第19回新株予約権(マッコーリー・バンク・リミテッド)を新たに発行し、2023年9月末現在、発行総数の38.71%を行使し完了した(11月末時点では発行総数の約8割まで行使を完了)。2023年9月期の資金調達の合計額は1,167百万円となった。資金の使途は、1) 慢性心不全治療に用いる再生医療等製品の実用化に向けた開発費用、2) 同社運転資金、3) 資本業務提携に伴う株式取得に係る費用等を予定している。既に同社ではこれまでに第三者割当により継続的に資金調達してきたが、2021年7月以降は株価低迷により資金調達が目標額を大きく下回っている。早期黒字化による株価アップ、そして安定的資金調達の良循環の経営サイクルの確立が急がれる。
4. 2023年9月期のトピック
同社はこれまでがん免疫細胞治療分野に深く関わってきたが、「がんの予防領域」にも注目してきた。2023年8月に(株)ココロミルへ出資することを決定した。ココロミルでは心電図によるビッグデータ(脈拍や自律神経)を活用して、自律神経障害に起因する様々な疾患を予測し、早期発見や未病対策に取り組んでいる。同社では、今回の資本参加をきっかけに、ココロミルが解析する脈拍や自律神経データを用いたストレス兆候等の把握による疾患予測の知見と、同社がこれまで蓄積してきた免疫細胞の作用機序等に係る知見を活用することにより、がんの予防・早期発見・早期治療に係わる新規事業の創出・育成の可能性を探るとしている。
5. 2024年9月期通期の業績見通し
2024年9月期通期の業績は、売上高は850百万円(前期比28.5%増)、営業損失が1,488百万円(前期は1,425百万円の損失)、経常損失が1,475百万円(同1,419百万円の損失)、当期純損失が1,479百万円(同1,437百万円の損失)と予想している。引き続きがん免疫細胞治療用の特定細胞加工受託件数の回復・拡大に加え、新技術による新しい細胞種の受託メニューの提供により特定細胞加工物製造業のさらなる売上拡大を図る。併せて、成長が期待できるCDMO事業の強化を図る。損益面については、細胞加工の品目や受託メニューの拡大とそのための細胞培養加工の環境・体制整備費用の先行に加え、研究開発案件の進展などにより研究開発費が増加する見込みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2. 財務状況
2023年9月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末から443百万円減少した。主な要因は、流動資産の現金及び預金が前期末比102百万円の減少、売掛金が同46百万円の増加によるものである。固定資産の投資有価証券が同273百万円の減少、保険積立金が同66百万円の減少であった。一方、負債合計は前期末から24百万円増加した。主な要因は、流動資産の契約負債が57百万円の増加、固定負債の株式報酬引当金が19百万円の増加、繰延税金負債が62百万円の減少である。純資産は、第27回定時株主総会の決議による資本金733百万円及び資本準備金1,360百万円の減少並びに利益剰余金2,093百万円の増加に加えて、新株予約権の行使等による資本金577百万円及び資本剰余金577百万円の増加、新株予約権20百万円の増加、並びに当期純損失計上に伴う利益剰余金1,437百万円の減少、その他有価証券評価差額金205百万円の減少などにより、前期末比467百万円減少となった。この結果、自己資本比率は、前期末の90.7%から89.2%となった。
3. 資金調達
同社では2020年9月期に第三者割当増資(新株予約権の発行・行使)を通算4回(第14~17回)実施し、資金2,942百万円を調達した。2023年9月期は、2022年の第18回新株予約権(1,690百万円を資金調達)に続き、第19回新株予約権(マッコーリー・バンク・リミテッド)を新たに発行し、2023年9月末現在、発行総数の38.71%を行使し完了した(11月末時点では発行総数の約8割まで行使を完了)。2023年9月期の資金調達の合計額は1,167百万円となった。資金の使途は、1) 慢性心不全治療に用いる再生医療等製品の実用化に向けた開発費用、2) 同社運転資金、3) 資本業務提携に伴う株式取得に係る費用等を予定している。既に同社ではこれまでに第三者割当により継続的に資金調達してきたが、2021年7月以降は株価低迷により資金調達が目標額を大きく下回っている。早期黒字化による株価アップ、そして安定的資金調達の良循環の経営サイクルの確立が急がれる。
4. 2023年9月期のトピック
同社はこれまでがん免疫細胞治療分野に深く関わってきたが、「がんの予防領域」にも注目してきた。2023年8月に(株)ココロミルへ出資することを決定した。ココロミルでは心電図によるビッグデータ(脈拍や自律神経)を活用して、自律神経障害に起因する様々な疾患を予測し、早期発見や未病対策に取り組んでいる。同社では、今回の資本参加をきっかけに、ココロミルが解析する脈拍や自律神経データを用いたストレス兆候等の把握による疾患予測の知見と、同社がこれまで蓄積してきた免疫細胞の作用機序等に係る知見を活用することにより、がんの予防・早期発見・早期治療に係わる新規事業の創出・育成の可能性を探るとしている。
5. 2024年9月期通期の業績見通し
2024年9月期通期の業績は、売上高は850百万円(前期比28.5%増)、営業損失が1,488百万円(前期は1,425百万円の損失)、経常損失が1,475百万円(同1,419百万円の損失)、当期純損失が1,479百万円(同1,437百万円の損失)と予想している。引き続きがん免疫細胞治療用の特定細胞加工受託件数の回復・拡大に加え、新技術による新しい細胞種の受託メニューの提供により特定細胞加工物製造業のさらなる売上拡大を図る。併せて、成長が期待できるCDMO事業の強化を図る。損益面については、細胞加工の品目や受託メニューの拡大とそのための細胞培養加工の環境・体制整備費用の先行に加え、研究開発案件の進展などにより研究開発費が増加する見込みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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