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CAICA DIGITALのニュース
*15:08JST CAICAD Research Memo(8):ポテンシャルの大きなWeb3事業での成長を目指す(1)
■CAICA DIGITAL<2315>の今後の方向性(Web3事業の展望)
1. 今後の方向性
2021年4月に公表した「CAICA中期経営計画(改定版)」(最終年度2023年10月期)については、暗号資産の相場低迷の影響により、「金融サービス事業」における事業計画の変更を余儀なくされたことから、2022年9月14日付けで取り下げた。ただ、「2030年に向けた将来ビジョン」※の方向性に見直しはない。新しい金融資産である暗号資産、普及拡大が間近に迫ったブロックチェーン(トークンエコノミーを含む)、コロナ禍によりさらに加速してきたデジタル化を背景として、他社に例を見ない事業基盤を生かし、金融とITをシームレスに統合した新たな「金融プラットフォーマー構想」の実現を目指している。特に、NFT市場の拡大やWeb3化の加速を見据え、成長が見込め、かつユーティリティ性の高いGameFi領域での事業拡大や独自の経済圏の創出などを通じて、顧客とWeb3時代の成長を享受し合うことを戦略の大きな柱としている。
※「デジタル金融の世界を切り拓く」をスローガンとして、「あらゆる事がデジタル化される未来。中央集権型から分散型(DeFi)へ、業界構造そのものが大きく変革していく金融。CAICAはその変革者になります。」を目指す姿に掲げている。
2. Web3事業の展望
(1) Web3の特長と同社の強み
Web3のプラットフォームやサービスは、従来のような中央集権型ではなく、分散型で構成される。これによりサービスやビジネスにおける主導権は、これまでのようにサービス提供事業者に集中するのではなく、サービスの向上と拡大に貢献したコミュニティなど多くの参加者に分散されるようになる。また、サービス利用者のデータは利用者自身が管理できるようになる。このような特長を持つWeb3への流れは、大量の利用者データを収集することで成長してきたテック系企業のビジネスモデルにも大きな影響を及ぼすと言われる一方、新しいサービスや事業を創出するスタートアップ企業の台頭も目立つようになってきた。特に、インターネット上に新しい世界観や経済圏を創り出すことで、ビジネス環境を一変させるポテンシャルを秘めていると見られている。
一方、同社の強みは、FinTech事業に注力し、ブロックチェーンに関する様々な実績と暗号資産交換所を有していることである。Web3の基盤技術であるブロックチェーンには2016年から集中的に取り組み、様々なプロジェクトを推進し、多くの知見とノウハウを蓄積してきた。さらにWeb3の重要な決済技術である暗号資産についても、暗号資産交換所「Zaif」をグループ内に抱えている。Web3において、この2つの重要な技術を有する同社にはアドバンテージがあると言える。
(2) 市場規模(見通し)
世界のWeb3市場は今後年平均40%程度の伸びを見せ、2030年までに800億ドル(約11兆6,000億円)規模に拡大すると予測されている※1。このうち、GameFi市場は今後10年間にわたり年23.7%のペースで成長し、2031年には74億2,000万ドル(約1兆17億円)に拡大するとの見方がある※2。また、Web3領域(ゲーム等)で頻繁に使われているコミュニケーションアプリ「Discord」の月間アクティブユーザー数は約1.5億人に上る※3。
※1 出所:Emergen Research
※2 出所:reportlinker.com
※3 出所:Influencer Marketing Hub
(3) 今後の事業展開
Web3事業の第1弾として開始したa) NFT事業「Zaif INO」に続き、第2弾、第3弾についても準備を進めており、b) Web3 BaaS(Blockchain as a service)事業、c) 決済代行事業、d) Web3事業支援を展開する計画である。ゲーム専用ブロックチェーン企業やゲーム開発企業、NFTコンテンツ企業など、有力なアライアンスパートナーとの協業を軸に据え、同社が有するブロックチェーンコンサルティング及び暗号資産交換所運営の両方の知見を生かし、NFT販売からトークン上場、そして店舗におけるWeb3ペイメントビジネス決済に至るまで、一気通貫サポートを通じて互いの成長を促進していく。
a) NFT事業(NFT及びトークンの販売)
既述のとおり、NFT事業は「Zaif INO」(ローンチパッド)を開始し、4回目の販売を実施した。今後もユーティリティ性の高いGameFiや審査制の導入(クオリティの担保)、一次販売への特化(他で入手できないNFTの取り扱い)、「Zaif」との連携(販売から上場までを一気通貫でサポート)などによる差別化を図り、有力タイトルのNFTを継続的に取り扱うことで、さらなる成長が期待できるゲーム業界の成長を取り込む方針である。
b) Web3 BaaS事業(Web3インフラサービス、ステーキングサービス)
NFTをより便利に活用していくため、暗号資産・資金決済・証券などの法律の下で安全に、発行、売買する仕組みとしてBaaS事業を推進する。NFTの購入者やコミュニティなどのNFTマーケットに対して、GameFiやSBT(ソールバウンドトークン)、決済やメタバースサービスなどを提供するNFT事業者に向けて、専門性の高いブロックチェーンに関するサービスを同社が提供する。具体的には、NFTの発行やブロックチェーンを活用したサービス企画・プロデュース、メタバース関連サービスの開発、Web3システム開発に向けてのブロックチェーン基盤SDK(ソフトウェア開発キット)の提供などを予定している。
c) 決済代行事業(ウォレット提供、投げ銭提供)
NFTは暗号資産で取引されることから、店舗が資金化(換金)するためには暗号資産決済サービスが必要となる。同社は、2022年12月19日に暗号資産の決済サービスを提供するSlash Fintech Limitedと業務提携契約を締結した。Slash Fintechが提供する「Slash Web3 Payment」※と「Zaif Payment」を組み合わせることで、店舗と利用者にとって利便性の高い暗号資産決済サービスを提供していく。
※暗号資産の自動両替ソリューション。加盟店は1クリックで受け取り用のウォレットアドレスをスマートコントラクトで読み取り、QRコード(顧客支払い用URL)を作成でき、日本円・ステーブルコイン(JPYC)や米ドル・ステーブルコイン(USDT)など、希望の通貨に換金してウォレットにリアルタイムで受け取ることができる。
d) Web3事業支援(Web3コミュニティ支援)
Web3事業の成功には、アライアンスパートナーの成長が不可欠である。同社は上場企業ならではのコンプライアンスプログラム、そして暗号資産交換業者及び第一種金融商品取引業者としての知見を生かし、Web3事業の開発やスタートアップの支援を行い、Web3マーケット全体の発展に貢献する考えだ。具体的には、コンプライアンスの構築やWeb3事業の開発、資金調達支援、トークン上場からマーケットメイク、コミュニティの構築やグローバル市場との接続など、専門性の高い事業支援を提供していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<NS>
1. 今後の方向性
2021年4月に公表した「CAICA中期経営計画(改定版)」(最終年度2023年10月期)については、暗号資産の相場低迷の影響により、「金融サービス事業」における事業計画の変更を余儀なくされたことから、2022年9月14日付けで取り下げた。ただ、「2030年に向けた将来ビジョン」※の方向性に見直しはない。新しい金融資産である暗号資産、普及拡大が間近に迫ったブロックチェーン(トークンエコノミーを含む)、コロナ禍によりさらに加速してきたデジタル化を背景として、他社に例を見ない事業基盤を生かし、金融とITをシームレスに統合した新たな「金融プラットフォーマー構想」の実現を目指している。特に、NFT市場の拡大やWeb3化の加速を見据え、成長が見込め、かつユーティリティ性の高いGameFi領域での事業拡大や独自の経済圏の創出などを通じて、顧客とWeb3時代の成長を享受し合うことを戦略の大きな柱としている。
※「デジタル金融の世界を切り拓く」をスローガンとして、「あらゆる事がデジタル化される未来。中央集権型から分散型(DeFi)へ、業界構造そのものが大きく変革していく金融。CAICAはその変革者になります。」を目指す姿に掲げている。
2. Web3事業の展望
(1) Web3の特長と同社の強み
Web3のプラットフォームやサービスは、従来のような中央集権型ではなく、分散型で構成される。これによりサービスやビジネスにおける主導権は、これまでのようにサービス提供事業者に集中するのではなく、サービスの向上と拡大に貢献したコミュニティなど多くの参加者に分散されるようになる。また、サービス利用者のデータは利用者自身が管理できるようになる。このような特長を持つWeb3への流れは、大量の利用者データを収集することで成長してきたテック系企業のビジネスモデルにも大きな影響を及ぼすと言われる一方、新しいサービスや事業を創出するスタートアップ企業の台頭も目立つようになってきた。特に、インターネット上に新しい世界観や経済圏を創り出すことで、ビジネス環境を一変させるポテンシャルを秘めていると見られている。
一方、同社の強みは、FinTech事業に注力し、ブロックチェーンに関する様々な実績と暗号資産交換所を有していることである。Web3の基盤技術であるブロックチェーンには2016年から集中的に取り組み、様々なプロジェクトを推進し、多くの知見とノウハウを蓄積してきた。さらにWeb3の重要な決済技術である暗号資産についても、暗号資産交換所「Zaif」をグループ内に抱えている。Web3において、この2つの重要な技術を有する同社にはアドバンテージがあると言える。
(2) 市場規模(見通し)
世界のWeb3市場は今後年平均40%程度の伸びを見せ、2030年までに800億ドル(約11兆6,000億円)規模に拡大すると予測されている※1。このうち、GameFi市場は今後10年間にわたり年23.7%のペースで成長し、2031年には74億2,000万ドル(約1兆17億円)に拡大するとの見方がある※2。また、Web3領域(ゲーム等)で頻繁に使われているコミュニケーションアプリ「Discord」の月間アクティブユーザー数は約1.5億人に上る※3。
※1 出所:Emergen Research
※2 出所:reportlinker.com
※3 出所:Influencer Marketing Hub
(3) 今後の事業展開
Web3事業の第1弾として開始したa) NFT事業「Zaif INO」に続き、第2弾、第3弾についても準備を進めており、b) Web3 BaaS(Blockchain as a service)事業、c) 決済代行事業、d) Web3事業支援を展開する計画である。ゲーム専用ブロックチェーン企業やゲーム開発企業、NFTコンテンツ企業など、有力なアライアンスパートナーとの協業を軸に据え、同社が有するブロックチェーンコンサルティング及び暗号資産交換所運営の両方の知見を生かし、NFT販売からトークン上場、そして店舗におけるWeb3ペイメントビジネス決済に至るまで、一気通貫サポートを通じて互いの成長を促進していく。
a) NFT事業(NFT及びトークンの販売)
既述のとおり、NFT事業は「Zaif INO」(ローンチパッド)を開始し、4回目の販売を実施した。今後もユーティリティ性の高いGameFiや審査制の導入(クオリティの担保)、一次販売への特化(他で入手できないNFTの取り扱い)、「Zaif」との連携(販売から上場までを一気通貫でサポート)などによる差別化を図り、有力タイトルのNFTを継続的に取り扱うことで、さらなる成長が期待できるゲーム業界の成長を取り込む方針である。
b) Web3 BaaS事業(Web3インフラサービス、ステーキングサービス)
NFTをより便利に活用していくため、暗号資産・資金決済・証券などの法律の下で安全に、発行、売買する仕組みとしてBaaS事業を推進する。NFTの購入者やコミュニティなどのNFTマーケットに対して、GameFiやSBT(ソールバウンドトークン)、決済やメタバースサービスなどを提供するNFT事業者に向けて、専門性の高いブロックチェーンに関するサービスを同社が提供する。具体的には、NFTの発行やブロックチェーンを活用したサービス企画・プロデュース、メタバース関連サービスの開発、Web3システム開発に向けてのブロックチェーン基盤SDK(ソフトウェア開発キット)の提供などを予定している。
c) 決済代行事業(ウォレット提供、投げ銭提供)
NFTは暗号資産で取引されることから、店舗が資金化(換金)するためには暗号資産決済サービスが必要となる。同社は、2022年12月19日に暗号資産の決済サービスを提供するSlash Fintech Limitedと業務提携契約を締結した。Slash Fintechが提供する「Slash Web3 Payment」※と「Zaif Payment」を組み合わせることで、店舗と利用者にとって利便性の高い暗号資産決済サービスを提供していく。
※暗号資産の自動両替ソリューション。加盟店は1クリックで受け取り用のウォレットアドレスをスマートコントラクトで読み取り、QRコード(顧客支払い用URL)を作成でき、日本円・ステーブルコイン(JPYC)や米ドル・ステーブルコイン(USDT)など、希望の通貨に換金してウォレットにリアルタイムで受け取ることができる。
d) Web3事業支援(Web3コミュニティ支援)
Web3事業の成功には、アライアンスパートナーの成長が不可欠である。同社は上場企業ならではのコンプライアンスプログラム、そして暗号資産交換業者及び第一種金融商品取引業者としての知見を生かし、Web3事業の開発やスタートアップの支援を行い、Web3マーケット全体の発展に貢献する考えだ。具体的には、コンプライアンスの構築やWeb3事業の開発、資金調達支援、トークン上場からマーケットメイク、コミュニティの構築やグローバル市場との接続など、専門性の高い事業支援を提供していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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