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ヤクルト本社のニュース
―持続可能な食事ビジネスてんこ盛り、QOL向上のテーマを実現する銘柄を厳選チョイス―
追い込まれていく現代人が希望を見出す「健康(ヘルスケア)」。とりわけ身体を構成するベースという意味で、重要な位置づけにあるのは「食」であろう。自身の健康増進、ひいてはQOL(Quality of life)の向上につなげることができる可能性のある機能性食品関連に今回のトップ特集ではスポットライトを当てた。
●悪化傾向をたどる日本人の疲労状況
日本リカバリー協会が各所と共同で2017年から実施している、健康及び生活状況に関する全国10万~14万人(20~79歳)を対象としたインターネット大規模調査によれば、日本人の疲労状況は悪化傾向にあるといえる。
さまざまな物事が便利になっていく半面、夥(おびただ)しい情報は年を追うごとに氾濫し、我々人間の決断を無自覚的に鈍らせる。当然、ビジネス・生活、あらゆる場面でスピードが加速し、肉体的にも精神的にも人々を追い込んでいく。足もとで話題になっている「チャットGPT」を見れば、もちろんまだまだ不完全な部分もあるとはいえ、人間が時間をかけて処理していた問題に即座に答えを出すその姿に、「便利さ」と同時に「怖さ」を感じた人も多いのではないだろうか。
これから先も更にギアが上がっていくであろうことが容易に想像できる人間社会。その「速すぎる社会」によって、肉体的にも精神的にも追い込まれていく現代人が「健康」に希望を見出すことは、半ば必然なのだ。ストレス緩和、睡眠の質向上をうたったヤクルト本社 <2267> [東証P]の「Yakult(ヤクルト)1000」が爆発的なヒットを記録した裏には、間違いなくこうした背景がある。
●「トクホ」がもたらす効果とは
さて、健康には言うまでもなく、さまざまな要素が関係しているが、とりわけ身体を構成するベースという意味で、重要な位置づけにあるのは「食」であろう。コンビニエンスストアやスーパーで 「トクホ」の商品を目にする機会も一昔前と比べて格段に増えている。そもそもトクホのような製品は、どういう効果があるのか。
消費者庁によると、機能性を表示することができる食品は、以前は国が個別に許可した(1)「トクホ」と国の規格基準に適合した(2)「栄養機能食品」に限られていた。前者は、健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品だ。表示されている効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可している。後者は、1日に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不足しがちな場合、その補給・補完のために利用できる食品だ。既に科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含む食品であれば、特に届け出などをしなくても、国が定めた表現によって機能性を表示することができる。
●2015年に「機能性表示食品」制度がスタート
更に、15年4月には、機能性を分かりやすく表示した商品の選択肢を増やし、我々消費者が正しい情報を得て商品選択をできるよう、新しく「機能性表示食品」制度がスタートした。こちらは、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品だ。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものとなっている。
ただし、トクホとは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではない。ちなみに前述したヤクルト1000はこの機能性表示食品に当たる。こうした食品をうまく取り入れることで、健康をより手軽に増進させることが期待できるのだ。
なお、市場調査の富士経済が発表した、保健機能食品(特定保健用食品・栄養機能食品・機能性表示食品)の市場動向調査結果では、22年の機能性表示食品の国内市場は5462億円(見込み)となり、前年比24%増となる。
●キユーピーが検証したドレッシングの真実
キユーピー <2809> [東証P]が食事に関する興味深い検証結果を発表している。同社は、炭水化物の前に野菜サラダを摂取すると、食後の急激な血糖値上昇が抑制されることを確認し、日本食品科学工学会で22年8月に発表した経緯がある。これに続き、今度は野菜サラダと一緒に食べることの多い“ドレッシング”が食後の血糖値上昇にどう影響するのかを検証し、ドレッシング単体でも、食後の血糖値上昇が抑えられることを確認したと公表した。これにより「ドレッシングをかけ過ぎると体に悪い」「ドレッシングの糖質が気になる」といった食に関する思い込みを払拭する一つの検証結果になったといえる。
「トクホ」「栄養機能食品」「機能性表示食品」についても、懐疑的に捉える向きも多いようだが、冷静な目で市場に並んでいる多くの製品を試してみると、自身の健康増進、ひいてはQOLの向上につなげることができる可能性もある。一度その良さが理解されて人気に火がつけば、想像以上の大ヒットにつながることは、最近のヤクルト1000だけでなく過去の多くの製品でも実証済みだ。
そこで今回は、「機能性食品」関連株に焦点を当てた。「トクホ」「栄養機能食品」「機能性表示食品」を展開している企業に注目したい。
●QOLを向上させるこの6銘柄に注目
◆ロート製薬 <4527> [東証P]~子会社であるエムジーファーマは、中性脂肪の上昇を抑える働きがあるオリジナル素材「グロビンペプチド(METAP)」を手掛け、亀田製菓<2220.T>と共同で、「亀田の柿の種 食後の中性脂肪が気になる方向け」を開発しており、柿の種ジャンル史上初の機能性表示食品となる。また、ロート製薬では女性の健康をサポートする製品として、女性のためのプロテイン「Propo Protein」を19年から販売している。
◆カネカ <4118> [東証P]~食品用などに幅広く使用されている甘草より抽出したポリフェノールを主成分とした「カネカ・グラボノイド」や体内でヒアルロン酸の合成などに活用される「ヒアルログルコ」、古くから漢方薬にも利用される菊の花から抽出した「クリスフラボン」などの機能性食品素材を手掛けている。
◆ファーマフーズ <2929> [東証P]~機能性素材の開発や研究員の採用強化による研究開発費の増加が業績面での重荷となるが、グループの明治薬品の機能性表示食品で、肥満気味の人の体重、体脂肪、血中中性脂肪、内臓脂肪、ウエスト周囲径の減少をサポートする「シボラナイトGOLD」が好調。初の自社ブランド商品であるGABA最高量配合の「明晰ラボ」を販売している。同製品は中高年の加齢に伴い低下する認知機能の一部である論理的思考力を維持する機能をサポートする。
◆ジェイフロンティア <2934> [東証G]~オンライン診療、オンライン服薬指導、処方薬の宅配プラットフォームである「SOKUYAKU」を運営。未病・予防段階にも欠かせない医薬品・漢方・機能性表示食品・医薬部外品などの商品を手掛ける。18年から東京農業大学と共同で低糖質米の開発に着手している。
◆ライフドリンク カンパニー <2585> [東証S]~蔵王連峰で育まれたきれいな地下水を原料水として使用し、食事の脂肪や糖の吸収を抑える機能などが報告されているイソマルトデキストリンを配合した機能性表示食品「ZAO SODAプラス(プレーン)」を手掛けている。
◆ニッスイ <1332> [東証P]~青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸の一つ「EPA」や青魚の油に多く含まれる「DHA」を配合した製品を展開。機能性表示食品では、関節軟骨成分の分解を抑える「毎日これ1本 N-アセチルグルコサミンソーセージ」、中性脂肪値を下げる「毎日これ1本 EPA+DHA ソーセージ」「EPA+DHA配合 いわし生姜煮」などさまざまな製品を展開する。
株探ニュース
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