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森永乳業のニュース
森永乳業は、マレーシアのマレーシアサインズ大学とビフィズス菌に関する共同研究を進めています。2014年12月にマレーシア クランタン州を中心に大きな洪水災害が発生しましたが、当社の「ビフィズス菌M-63」の摂取による洪水災害後の被災者への精神状態改善効果が確認されました。これらの研究成果を、3月に京都で開催された日本農芸化学会2017年度大会にて発表いたしました。
また、当研究成果において、マレーシア衛生省からマレーシアサインズ大学の研究チームに、マレーシア医薬品協会(PhAMA)イノベーション研究大賞が授与されました。
※詳細はこちら https://prtimes.jp/a/?f=d21580-20170411-8801.pdf
<研究の背景と目的>
近年、腸内細菌は肥満をはじめ様々な疾患に影響を与えていることを指摘する研究が数多く発表されており、腸内フローラをバランス良く保つことが健康の一つと考えられています。
森永乳業では、腸内フローラをバランスよく保つためには、ビフィズス菌に代表される善玉菌など腸によい働きをしてくれるプロバイオティクスなどの食品を摂ることが有効であることを長年研究しており、整腸作用などが期待される「ビフィズス菌BB536」、低出生体重児への作用が認められる「ビフィズス菌M-16V」など、独自のビフィズス菌研究を進めてまいりました。
マレーシアのマレーシアサインズ大学とビフィズス菌に関する共同研究を進めている最中、2014年12月にマレーシア クランタン州を中心に大きな洪水災害が発生しました。衛生環境の悪化により、病原菌の増加や、被災者の体力低下などから、被災者の腹部異常や精神状態の悪化が引き起こされることが知られており、災害発生時のみでなく、復興期にも被災者の精神状態や健康への医療対策が求められていることから、当社の「ビフィズス菌M-63」を使って健康維持に役立つ効果を検証しました。
【ビフィズス菌M-63について】
森永乳業の独自素材であるビフィズス菌M-63はBifidobacterium longum subsp. infantisに属し、これまでの先行研究からロタウイルス感染予防作用や、他のビフィズス菌(ビフィズス菌BB536、ビフィズス菌M-16V)と組み合わせて摂取することによる過敏性腸症候群の症状改善作用を有することが判明しています。
<研究の内容>
対象者:2014年12月に洪水災害が発生したマレーシアのクランタン州在住の成人 31人
内 容 :試験は2015年9月~12月にかけて、洪水災害後に腹部異常(機能性胃腸症や過敏性腸症候群など)を
有する被災者11名に、「ビフィズス菌M-63」粉末(25億個/包)を1日1包、3ヶ月間摂取していただきました(摂
取群)。また、ビフィズス菌を摂取しない同じく腹部異常を有する被災者20名を対照群としました(非摂取
群)。上記の介入前後に、「SF-36」*1というアンケートを用いて被災者の精神状態をはじめとする健康状態
を評価しました。また、被験者から便を提供いただき、次世代シーケンサー*2にて腸内細菌叢を網羅的に解析
し、腹部異常を有する被災者の精神状態改善作用について調査しました。
<結果の概要>
介入前後の変動値を比較した結果、精神状態を示すスコアである精神的側面のサマリースコア*3が非摂取群と比較して「ビフィズス菌M-63」摂取群で有意に改善されました (図1)。
介入後の精神的側面のサマリースコアも同様に比較した結果、非摂取群と比較して「ビフィズス菌M-63」摂取群ではスコアが有意に高く、精神状態が改善されていることが示唆されました(図2)。また介入後の腸内細菌叢を比較した結果、Firmicutes(ファーミキューテス門)/Bacteroidetes(バクテロイデーテス門)比率*4が有意に低下していることが分かりました (図3)。さらに、介入後の精神的側面のサマリースコアとFirmicutes/Bacteroidetes比率に有意な負の相関が認められたため、「ビフィズス菌M-63」摂取による精神状態の改善効果と、その改善には腸内細菌が関与している可能性が考えられます。
<まとめ>
洪水災害に起因する腹部症状を有する被災者に対する「ビフィズス菌M-63」の摂取は精神状態を改善し、その改善には腸内細菌が関与している可能性があることがわかりました。
森永乳業では、本研究で得られた知見を活かして、ビフィズス菌研究健康に関係する研究を更に進めてまいります。
<用語説明>
*1 SF-36:クオリティ・オブ・ライフ(QOL) の評価を行う学術的な根拠があるアンケート。
*2 次世代シーケンサー:近年の科学領域において非常に多く用いられている装置。シーケンサーはDNAやRNA
の配列を解析することが可能な装置であるが、次世代シーケンサーは従来の装置に比べて飛躍的に多くの配列
を解析することが可能であり、複雑な腸内細菌の遺伝子配列などを網羅的に解析することが可能となる。
*3 精神的側面のサマリースコア:SF-36によって評価される項目の一つで、活力、社会生活機能、日常役割機
能(精神)、心の健康などの精神状態を示すスコア。
*4 Firmicutes/Bacteroidetesの比率: Firmicutes(ファーミキューテス門)とBacteroidetes(バクテロイデ
ーテス門)は共にヒト腸内に棲息する最優勢分類群となっている。肥満のヒトの腸内フローラは、痩せ型のヒ
トに比べ、Firmicutes/Bacteroidetes比率が高くなると報告されている(Ley et al., Nature, 2006)。
また、当研究成果において、マレーシア衛生省からマレーシアサインズ大学の研究チームに、マレーシア医薬品協会(PhAMA)イノベーション研究大賞が授与されました。
※詳細はこちら https://prtimes.jp/a/?f=d21580-20170411-8801.pdf
<研究の背景と目的>
近年、腸内細菌は肥満をはじめ様々な疾患に影響を与えていることを指摘する研究が数多く発表されており、腸内フローラをバランス良く保つことが健康の一つと考えられています。
森永乳業では、腸内フローラをバランスよく保つためには、ビフィズス菌に代表される善玉菌など腸によい働きをしてくれるプロバイオティクスなどの食品を摂ることが有効であることを長年研究しており、整腸作用などが期待される「ビフィズス菌BB536」、低出生体重児への作用が認められる「ビフィズス菌M-16V」など、独自のビフィズス菌研究を進めてまいりました。
マレーシアのマレーシアサインズ大学とビフィズス菌に関する共同研究を進めている最中、2014年12月にマレーシア クランタン州を中心に大きな洪水災害が発生しました。衛生環境の悪化により、病原菌の増加や、被災者の体力低下などから、被災者の腹部異常や精神状態の悪化が引き起こされることが知られており、災害発生時のみでなく、復興期にも被災者の精神状態や健康への医療対策が求められていることから、当社の「ビフィズス菌M-63」を使って健康維持に役立つ効果を検証しました。
【ビフィズス菌M-63について】
森永乳業の独自素材であるビフィズス菌M-63はBifidobacterium longum subsp. infantisに属し、これまでの先行研究からロタウイルス感染予防作用や、他のビフィズス菌(ビフィズス菌BB536、ビフィズス菌M-16V)と組み合わせて摂取することによる過敏性腸症候群の症状改善作用を有することが判明しています。
<研究の内容>
対象者:2014年12月に洪水災害が発生したマレーシアのクランタン州在住の成人 31人
内 容 :試験は2015年9月~12月にかけて、洪水災害後に腹部異常(機能性胃腸症や過敏性腸症候群など)を
有する被災者11名に、「ビフィズス菌M-63」粉末(25億個/包)を1日1包、3ヶ月間摂取していただきました(摂
取群)。また、ビフィズス菌を摂取しない同じく腹部異常を有する被災者20名を対照群としました(非摂取
群)。上記の介入前後に、「SF-36」*1というアンケートを用いて被災者の精神状態をはじめとする健康状態
を評価しました。また、被験者から便を提供いただき、次世代シーケンサー*2にて腸内細菌叢を網羅的に解析
し、腹部異常を有する被災者の精神状態改善作用について調査しました。
<結果の概要>
介入前後の変動値を比較した結果、精神状態を示すスコアである精神的側面のサマリースコア*3が非摂取群と比較して「ビフィズス菌M-63」摂取群で有意に改善されました (図1)。
介入後の精神的側面のサマリースコアも同様に比較した結果、非摂取群と比較して「ビフィズス菌M-63」摂取群ではスコアが有意に高く、精神状態が改善されていることが示唆されました(図2)。また介入後の腸内細菌叢を比較した結果、Firmicutes(ファーミキューテス門)/Bacteroidetes(バクテロイデーテス門)比率*4が有意に低下していることが分かりました (図3)。さらに、介入後の精神的側面のサマリースコアとFirmicutes/Bacteroidetes比率に有意な負の相関が認められたため、「ビフィズス菌M-63」摂取による精神状態の改善効果と、その改善には腸内細菌が関与している可能性が考えられます。
<まとめ>
洪水災害に起因する腹部症状を有する被災者に対する「ビフィズス菌M-63」の摂取は精神状態を改善し、その改善には腸内細菌が関与している可能性があることがわかりました。
森永乳業では、本研究で得られた知見を活かして、ビフィズス菌研究健康に関係する研究を更に進めてまいります。
<用語説明>
*1 SF-36:クオリティ・オブ・ライフ(QOL) の評価を行う学術的な根拠があるアンケート。
*2 次世代シーケンサー:近年の科学領域において非常に多く用いられている装置。シーケンサーはDNAやRNA
の配列を解析することが可能な装置であるが、次世代シーケンサーは従来の装置に比べて飛躍的に多くの配列
を解析することが可能であり、複雑な腸内細菌の遺伝子配列などを網羅的に解析することが可能となる。
*3 精神的側面のサマリースコア:SF-36によって評価される項目の一つで、活力、社会生活機能、日常役割機
能(精神)、心の健康などの精神状態を示すスコア。
*4 Firmicutes/Bacteroidetesの比率: Firmicutes(ファーミキューテス門)とBacteroidetes(バクテロイデ
ーテス門)は共にヒト腸内に棲息する最優勢分類群となっている。肥満のヒトの腸内フローラは、痩せ型のヒ
トに比べ、Firmicutes/Bacteroidetes比率が高くなると報告されている(Ley et al., Nature, 2006)。
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