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三機工業のニュース
■要約
三機工業<1961>の主要事業は、オフィスビル、学校、病院、ショッピングセンター、工場、研究施設などの建築設備及びプラント設備の企画・設計・製作・監理・施工・販売・コンサルティングなどである。同社の強みは、多岐にわたる事業を横断的に融合させる総合エンジニアリングと100年近い実績から培われた高い技術力や信用力である。
1. 2022年3月期第2四半期:売上高は前年同期比4.0%増、営業利益は102.8%増
2022年3月期第2四半期の業績は、売上高84,070百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益1,025百万円(同102.8%増)、経常利益1,310百万円(同55.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益863百万円(同5.1%増)となり、ほぼ計画に沿った結果であった。親会社株主に帰属する四半期純利益の伸び率が低いのは前期に税効果があったことによる。受注高は96,506百万円(前年同期比6.5%減)とほぼ予想の範囲内であり、次期繰越高は154,112百万円(前年同期末比2.8%減)と高水準を維持した。原価管理の徹底、現場サポート体制の強化などを継続したことから売上総利益率は13.2%となり、前年同期比では0.1ポイント低下したが、依然として13%台を維持している。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響は大型・長期工事に対しては軽微であったが、小規模営繕工事の受注などはまだ多少影響が残っている。
2. 2022年3月期の業績見通し:営業利益は前期比26.7%増を予想
2022年3月期については、現時点では受注高200,000百万円(前期比2.3%増)、売上高200,000百万円(同5.2%増)、営業利益9,500百万円(同26.7%増)、経常利益10,000百万円(同22.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,000百万円(同18.6%増)と予想されており、期初予想と変わっていない。これらの予想数値は足元の受注状況等を積み上げたものであるが、3ヶ年中期経営計画“Century 2025”Phase2の最終年度の計画値でもある。同社は「依然としてコロナ禍の影響は不透明であり、業績に影響を及ぼす可能性があるものの、“Century 2025”Phase2計画を粛々と推進し、目標を達成する」と述べている。
3. 中期経営計画“Century 2025”Phase2を推進中
同社は創立100周年に向けた10年間の目標として2016年3月に長期ビジョン“Century 2025”を発表している。この計画の最初の3年間を“Century 2025”Phase1とし、その定量的目標を最終年度の2019年3月期に売上高1,950億円、営業利益75億円とし、既にこの目標は達成された。これに続き同Phase2を発表し、Phase1からの継続的な3つの重点施策に加え、「財務・資本政策」と「ESG方針」の開示、「情報発信力の強化」が追加された。また定量的な目標に業績目標だけでなく経営目標も掲げており、2022年3月期に経常利益率5.0%以上、年間配当金60円以上、自己株式の取得500万株程度(2020年3月期から3年間)、総還元性向70%以上、ROE8.0%以上としている。コロナ禍の影響がどこまで残るかは不透明であるが、現時点においてはこの目標は変えておらず、引き続きこれらの計画を推進していく方針だ。なお2023年3月期からはPhase3に入るため、新しい計画・目標が発表される予定だ。
4. 株主還元にも前向き:過去9年間の総還元性向(加重平均)は84.8%
同社は、これまでの安定配当や近年の増配に加え、自社株買いなど積極的な株主還元を実施している。年間配当は、2019年3月期60円(うち特別配当20円)、2020年3月期95円(同25円)、2021年3月期80円(同10円)の配当を行った。2022年3月期は普通配当70円を予定している。自己株式については、2020年8月に1,000千株の自己株式消却を実施、さらに2020年10月末までに1,000千株の自己株式を取得済みであり、進行中の2022年3月期中にも1,000千株の自己株式取得を発表済みだ。この結果、2022年3月期予想を含めた過去9年間の総還元性向(加重平均)は84.8%となる見込みである。このような同社の積極的な株主還元策は大いに評価すべきだろう。
■Key Points
・三井系の国内トップクラスの建築設備会社。利益率改善策を実行中
・2022年3月期は前期比26.7%の営業増益予想。中期経営計画も順調に進行中
・株主還元に前向き。2022年3月期は年間配当70円、自社株取得1,000千株を予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
三機工業<1961>の主要事業は、オフィスビル、学校、病院、ショッピングセンター、工場、研究施設などの建築設備及びプラント設備の企画・設計・製作・監理・施工・販売・コンサルティングなどである。同社の強みは、多岐にわたる事業を横断的に融合させる総合エンジニアリングと100年近い実績から培われた高い技術力や信用力である。
1. 2022年3月期第2四半期:売上高は前年同期比4.0%増、営業利益は102.8%増
2022年3月期第2四半期の業績は、売上高84,070百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益1,025百万円(同102.8%増)、経常利益1,310百万円(同55.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益863百万円(同5.1%増)となり、ほぼ計画に沿った結果であった。親会社株主に帰属する四半期純利益の伸び率が低いのは前期に税効果があったことによる。受注高は96,506百万円(前年同期比6.5%減)とほぼ予想の範囲内であり、次期繰越高は154,112百万円(前年同期末比2.8%減)と高水準を維持した。原価管理の徹底、現場サポート体制の強化などを継続したことから売上総利益率は13.2%となり、前年同期比では0.1ポイント低下したが、依然として13%台を維持している。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響は大型・長期工事に対しては軽微であったが、小規模営繕工事の受注などはまだ多少影響が残っている。
2. 2022年3月期の業績見通し:営業利益は前期比26.7%増を予想
2022年3月期については、現時点では受注高200,000百万円(前期比2.3%増)、売上高200,000百万円(同5.2%増)、営業利益9,500百万円(同26.7%増)、経常利益10,000百万円(同22.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,000百万円(同18.6%増)と予想されており、期初予想と変わっていない。これらの予想数値は足元の受注状況等を積み上げたものであるが、3ヶ年中期経営計画“Century 2025”Phase2の最終年度の計画値でもある。同社は「依然としてコロナ禍の影響は不透明であり、業績に影響を及ぼす可能性があるものの、“Century 2025”Phase2計画を粛々と推進し、目標を達成する」と述べている。
3. 中期経営計画“Century 2025”Phase2を推進中
同社は創立100周年に向けた10年間の目標として2016年3月に長期ビジョン“Century 2025”を発表している。この計画の最初の3年間を“Century 2025”Phase1とし、その定量的目標を最終年度の2019年3月期に売上高1,950億円、営業利益75億円とし、既にこの目標は達成された。これに続き同Phase2を発表し、Phase1からの継続的な3つの重点施策に加え、「財務・資本政策」と「ESG方針」の開示、「情報発信力の強化」が追加された。また定量的な目標に業績目標だけでなく経営目標も掲げており、2022年3月期に経常利益率5.0%以上、年間配当金60円以上、自己株式の取得500万株程度(2020年3月期から3年間)、総還元性向70%以上、ROE8.0%以上としている。コロナ禍の影響がどこまで残るかは不透明であるが、現時点においてはこの目標は変えておらず、引き続きこれらの計画を推進していく方針だ。なお2023年3月期からはPhase3に入るため、新しい計画・目標が発表される予定だ。
4. 株主還元にも前向き:過去9年間の総還元性向(加重平均)は84.8%
同社は、これまでの安定配当や近年の増配に加え、自社株買いなど積極的な株主還元を実施している。年間配当は、2019年3月期60円(うち特別配当20円)、2020年3月期95円(同25円)、2021年3月期80円(同10円)の配当を行った。2022年3月期は普通配当70円を予定している。自己株式については、2020年8月に1,000千株の自己株式消却を実施、さらに2020年10月末までに1,000千株の自己株式を取得済みであり、進行中の2022年3月期中にも1,000千株の自己株式取得を発表済みだ。この結果、2022年3月期予想を含めた過去9年間の総還元性向(加重平均)は84.8%となる見込みである。このような同社の積極的な株主還元策は大いに評価すべきだろう。
■Key Points
・三井系の国内トップクラスの建築設備会社。利益率改善策を実行中
・2022年3月期は前期比26.7%の営業増益予想。中期経営計画も順調に進行中
・株主還元に前向き。2022年3月期は年間配当70円、自社株取得1,000千株を予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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