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日本電技のニュース
*14:34JST 日本電技 Research Memo(4):空調計装は安定収益源、産業システムは成長ドライバーとして期待
■日本電技<1723>の事業内容
3. 事業環境
2020東京オリンピック・パラリンピック関連需要が一巡したタイミングで世界的に新型コロナウイルス感染症が蔓延し、日本経済は一時的に停滞することとなった。しかし、新型コロナウイルス感染症が感染症法上5類に位置付けされるなどウィズコロナの時代に入った現在、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)以前の経済状態に急速に戻りつつある。このため、短中期的な事業環境は、空調計装関連事業の新設工事で首都圏再開発案件が好調、官公庁案件も堅調に推移している。既設工事でも脱炭素社会の実現に向けた省エネニーズの増加に加え、ウィズコロナを背景としたオフィス縮小などに伴う改修案件が増加しているが、長期的には人口減少などを背景に新築ビルが続々と建てられるような時代ではなくなることから、足もと好調の新築工事は現状以上に大きく広がらない見通しである。一方、既設工事では築年数の経過とともに今後、改修時期の到来する大型ビルが増えていくことが想定されている。また、日本のエネルギー政策※1から、脱炭素社会の実現に向けて環境ビジネス市場は堅調に拡大すると予測されており、とりわけ建設業界ではビルを中心に究極の省エネであるZEB※2の実現に向けた取り組みが進められている。このため、省エネ・省力化を実現する同社の「計装エンジニアリング」技術に対する需要はますます高まると考えられている。
※1 国は2050年までにカーボンニュートラルの実現や2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指している。
※2 ZEB:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル
産業システム関連事業では、製造業界などにおける人手不足に伴う自動化ニーズや、スマートファクトリー実現に向けた製造設備改修・システム更新などが想定通り順調に拡大、主力の食品工場向け生産管理システムの構築なども好調に推移している。しかし足もとでは、スタートしたばかりの事業部としての課題解消や、想定外に好調な空調計装に向けた人員支援などを優先することによって、やや勢いを欠いた展開となっている。中長期的には、AI・IoT・ICT技術などDXを活用した工場のデジタル化(スマートファクトリー化)が追い風となって市場が大きく広がり、なかでもプロセスオートメーションやファクトリーオートメーションなど、工場設備の更新や生産管理システムの構築に関連する需要の増加が期待されている。同社では、空調計装関連事業については同社を支える安定収益源、産業システム関連事業については成長ドライバーとみなしており、長期的に開拓余地が大きい産業システム分野に積極的に経営資源を投入し、産業システム関連事業の成長に弾みをつける考えである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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3. 事業環境
2020東京オリンピック・パラリンピック関連需要が一巡したタイミングで世界的に新型コロナウイルス感染症が蔓延し、日本経済は一時的に停滞することとなった。しかし、新型コロナウイルス感染症が感染症法上5類に位置付けされるなどウィズコロナの時代に入った現在、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)以前の経済状態に急速に戻りつつある。このため、短中期的な事業環境は、空調計装関連事業の新設工事で首都圏再開発案件が好調、官公庁案件も堅調に推移している。既設工事でも脱炭素社会の実現に向けた省エネニーズの増加に加え、ウィズコロナを背景としたオフィス縮小などに伴う改修案件が増加しているが、長期的には人口減少などを背景に新築ビルが続々と建てられるような時代ではなくなることから、足もと好調の新築工事は現状以上に大きく広がらない見通しである。一方、既設工事では築年数の経過とともに今後、改修時期の到来する大型ビルが増えていくことが想定されている。また、日本のエネルギー政策※1から、脱炭素社会の実現に向けて環境ビジネス市場は堅調に拡大すると予測されており、とりわけ建設業界ではビルを中心に究極の省エネであるZEB※2の実現に向けた取り組みが進められている。このため、省エネ・省力化を実現する同社の「計装エンジニアリング」技術に対する需要はますます高まると考えられている。
※1 国は2050年までにカーボンニュートラルの実現や2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指している。
※2 ZEB:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル
産業システム関連事業では、製造業界などにおける人手不足に伴う自動化ニーズや、スマートファクトリー実現に向けた製造設備改修・システム更新などが想定通り順調に拡大、主力の食品工場向け生産管理システムの構築なども好調に推移している。しかし足もとでは、スタートしたばかりの事業部としての課題解消や、想定外に好調な空調計装に向けた人員支援などを優先することによって、やや勢いを欠いた展開となっている。中長期的には、AI・IoT・ICT技術などDXを活用した工場のデジタル化(スマートファクトリー化)が追い風となって市場が大きく広がり、なかでもプロセスオートメーションやファクトリーオートメーションなど、工場設備の更新や生産管理システムの構築に関連する需要の増加が期待されている。同社では、空調計装関連事業については同社を支える安定収益源、産業システム関連事業については成長ドライバーとみなしており、長期的に開拓余地が大きい産業システム分野に積極的に経営資源を投入し、産業システム関連事業の成長に弾みをつける考えである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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