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日本電技のニュース
■要約
日本電技<1723>は「計装※エンジニアリング専業企業」である。オフィスビルを始めホテルや病院、工場など非居住用建築物を対象に、空調設備を自動制御する空調計装(ビルディングオートメーション)や、工場の組立工程を自動化する産業計装(インダストリーオートメーション)という分野において、設計から施工、メンテナンスまでを手掛けている。特に2,000億円と言われる市場規模を有する空調計装は、自動制御機器大手であるアズビル<6845>の最大手特約店として、また業界の草分け的な存在として豊富な実績とノウハウを誇っている。
※計装(Instrumentation):ビルや工場などにおいて、空調や生産ラインなどの各種設備・機械装置を、計測・監視・制御の手法によって有機的に機能させること。
同社の事業は、空調計装関連事業と産業計装関連事業に大別される。空調計装関連事業は主に、ビルや工場、病院、クリーンルームなどを対象に空調に関する計装を手掛ける事業である。産業計装関連事業では、工場の生産ラインや搬送ラインなどに対する計装を手掛けている。売上高に占める割合は、空調計装関連事業86.7%、産業計装関連事業13.3%となっている(2019年3月期)。同社は、経験が物を言う計装の大手で、かつ唯一のエンジニアリング専業企業である。「計装エンジニアリング専業企業」だからこそ対応可能な顧客ニーズも数多く、こうしたユニークなポジションが同社最大の強みと言える。
2019年3月期の業績は、受注高31,565百万円(前期比5.8%増)、売上高28,308百万円(前期比4.2%増)、営業利益3,174百万円(同14.7%増)となった。売上高は空調計装関連事業、産業計装関連事業ともに順調に増加した。好採算の案件が多くなったため売上総利益率が改善した一方、基幹システム稼働による償却費増や人件費増などにより販管費は増加した。2020年3月期の業績見通しについて、同社は受注高29,000百万円(前期比8.1%減)、売上高29,500百万円(同4.2%増)、営業利益3,250百万円(同2.4%増)と増収微増益を見込んでいる。空調計装関連事業は繰越工事が多いことから受注高は調整、売上高は順調に増加、産業計装関連事業は大型の案件だけを織り込んだもようだ。売上総利益率は引き続き改善が予想されるが、販管費は基幹システムの償却費増などにより率として上昇、増益率がやや鈍化する予想となったと思われる。
同社は中期経営計画で効率重視の事業展開、顧客との関係強化の推進、戦略的受注の徹底、ニーズに応える技術力強化と領域拡大、働き方改革への対応——といった戦略を展開、2021年3月期に受注高31,000百万円(空調計装関連事業26,000百万円、産業計装関連事業5,000百万円)、売上高30,000百万円(空調計装関連事業26,000百万円、産業計装関連事業4,000百万円)、営業利益3,500百万円の達成を目指している。東京オリンピック・パラリンピック後はインフラ投資やオフィス投資に一巡感が強まると思われることから、2021年3月期にかけて一旦売上が踊り場を迎える可能性があると考えられる。中期的には2025年3月期へ向けて、東京都の再開発やインバウンド宿泊需要、省エネニーズの高まりなどから再び成長が加速すると考える。
■Key Points
・技術力を誇る計装エンジニアリング専業企業
・2021年3月期に営業利益3,500百万円を目指す
・東京オリンピック後は再開発など新たな展開へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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日本電技<1723>は「計装※エンジニアリング専業企業」である。オフィスビルを始めホテルや病院、工場など非居住用建築物を対象に、空調設備を自動制御する空調計装(ビルディングオートメーション)や、工場の組立工程を自動化する産業計装(インダストリーオートメーション)という分野において、設計から施工、メンテナンスまでを手掛けている。特に2,000億円と言われる市場規模を有する空調計装は、自動制御機器大手であるアズビル<6845>の最大手特約店として、また業界の草分け的な存在として豊富な実績とノウハウを誇っている。
※計装(Instrumentation):ビルや工場などにおいて、空調や生産ラインなどの各種設備・機械装置を、計測・監視・制御の手法によって有機的に機能させること。
同社の事業は、空調計装関連事業と産業計装関連事業に大別される。空調計装関連事業は主に、ビルや工場、病院、クリーンルームなどを対象に空調に関する計装を手掛ける事業である。産業計装関連事業では、工場の生産ラインや搬送ラインなどに対する計装を手掛けている。売上高に占める割合は、空調計装関連事業86.7%、産業計装関連事業13.3%となっている(2019年3月期)。同社は、経験が物を言う計装の大手で、かつ唯一のエンジニアリング専業企業である。「計装エンジニアリング専業企業」だからこそ対応可能な顧客ニーズも数多く、こうしたユニークなポジションが同社最大の強みと言える。
2019年3月期の業績は、受注高31,565百万円(前期比5.8%増)、売上高28,308百万円(前期比4.2%増)、営業利益3,174百万円(同14.7%増)となった。売上高は空調計装関連事業、産業計装関連事業ともに順調に増加した。好採算の案件が多くなったため売上総利益率が改善した一方、基幹システム稼働による償却費増や人件費増などにより販管費は増加した。2020年3月期の業績見通しについて、同社は受注高29,000百万円(前期比8.1%減)、売上高29,500百万円(同4.2%増)、営業利益3,250百万円(同2.4%増)と増収微増益を見込んでいる。空調計装関連事業は繰越工事が多いことから受注高は調整、売上高は順調に増加、産業計装関連事業は大型の案件だけを織り込んだもようだ。売上総利益率は引き続き改善が予想されるが、販管費は基幹システムの償却費増などにより率として上昇、増益率がやや鈍化する予想となったと思われる。
同社は中期経営計画で効率重視の事業展開、顧客との関係強化の推進、戦略的受注の徹底、ニーズに応える技術力強化と領域拡大、働き方改革への対応——といった戦略を展開、2021年3月期に受注高31,000百万円(空調計装関連事業26,000百万円、産業計装関連事業5,000百万円)、売上高30,000百万円(空調計装関連事業26,000百万円、産業計装関連事業4,000百万円)、営業利益3,500百万円の達成を目指している。東京オリンピック・パラリンピック後はインフラ投資やオフィス投資に一巡感が強まると思われることから、2021年3月期にかけて一旦売上が踊り場を迎える可能性があると考えられる。中期的には2025年3月期へ向けて、東京都の再開発やインバウンド宿泊需要、省エネニーズの高まりなどから再び成長が加速すると考える。
■Key Points
・技術力を誇る計装エンジニアリング専業企業
・2021年3月期に営業利益3,500百万円を目指す
・東京オリンピック後は再開発など新たな展開へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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