975円
明豊ファシリティワークスのニュース
■事業概要
1. コンストラクション・マネジメントとは
コンストラクション・マネジメント(以下、CM)とは、米国において普及した建設生産・管理システムである。具体的にはコンストラクション・マネジャー(CMr)が技術的な中立性を保ちつつ、発注者の代行者または補助者となって発注者側に立ち、基本計画作成や工事発注方式の検討、設計者選定支援、設計マネジメント、施工マネジメント等各種マネジメント業務を通じたコスト管理、工事進捗管理などを行う発注者支援サービスのことを指す。明豊ファシリティワークス<1717>はCM事業(発注者支援事業)を専業とした国内の先駆け的な唯一の東証1部上場企業である。
同社サービスの契約形態は「ピュアCM方式」と「アットリスクCM方式」の2通りに分かれている。「ピュアCM方式」とは同社と施主がCM業務委託契約(マネジメントフィー契約)を結ぶ方式で、設計や施工会社との契約は施主が直接行う格好となる。同社の売上高に計上されるのはマネジメントフィーのみとなり、売上原価としてマネジメントに関わるコストなどが計上される。
一方、「アットリスクCM方式」とは、同社が施主に代わって施工会社と直接、工事請負契約を結ぶ方式で、売上高はマネジメントフィーに工事管理フィー、建設工事の実費額(コスト)が加算されることになる。売上原価にはマネジメントフィーや工事管理フィーにかかる社内コストと、施主が承認した建設工事の実費額(オープンブック方式)が含まれる。工事実費額が売上高と売上原価に同額で計上されるため、売上総利益率で見れば「アットリスクCM方式」のほうが低くなる。このため、同社は経営指標として売上高ではなく、売上総利益と経常利益をベースに収益管理を行っている。
ここ数年は、「アットリスクCM方式」が減少し、「ピュアCM方式」が増え、2021年3月期以降は、ほぼすべてが「ピュアCM方式」の案件となっている。経常利益が過去最高を更新している中、売上高が減少している理由は、同社サービスの契約形態の変化によるものである。
2. 「明豊のCM」の特徴
同社は経営理念に「フェアネス」と「透明性」を掲げ、プロが供給側に偏在するなかで、施主側に立つことに徹した発注者支援をメイン業務としている。CM方式の最大のメリットは、一般的な一括請負方式と比較して、発注プロセスと工事項目別コストを発注者(施主)と可視化されたなかで共有し、複数の選択肢から顧客が納得する最適な方法を選択、実行できることにある。同社は20数年にわたる数多くの事例から得られた実勢コストを社内でデータベース化しており、発注者側に立って適正な費用の査定が行えることを強みとしている。
「明豊のCM」方式では基本計画や、建築、電気・空調・情報通信・AV機器などの設備工事に至るまであらゆる分野の専門家を社内に配置し、顧客側に立った適正な基本計画づくりやコスト管理・査定を行っている。このため、過大に見積られた費用があれば発注者へ説明し、発注者が元請け業者に指摘し改善させる、あるいは分離発注を行って直接施工業者へ発注することで、余剰なコストを圧縮している。また、顧客が事業の検討を開始した基本構想段階で精緻な予算を作成し、これを顧客の予算を上限(CAP)として管理された予算内での「プロジェクトの早期立ち上げ」に貢献するなど、顧客目標を確実に達成することで高い信頼を獲得している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. コンストラクション・マネジメントとは
コンストラクション・マネジメント(以下、CM)とは、米国において普及した建設生産・管理システムである。具体的にはコンストラクション・マネジャー(CMr)が技術的な中立性を保ちつつ、発注者の代行者または補助者となって発注者側に立ち、基本計画作成や工事発注方式の検討、設計者選定支援、設計マネジメント、施工マネジメント等各種マネジメント業務を通じたコスト管理、工事進捗管理などを行う発注者支援サービスのことを指す。明豊ファシリティワークス<1717>はCM事業(発注者支援事業)を専業とした国内の先駆け的な唯一の東証1部上場企業である。
同社サービスの契約形態は「ピュアCM方式」と「アットリスクCM方式」の2通りに分かれている。「ピュアCM方式」とは同社と施主がCM業務委託契約(マネジメントフィー契約)を結ぶ方式で、設計や施工会社との契約は施主が直接行う格好となる。同社の売上高に計上されるのはマネジメントフィーのみとなり、売上原価としてマネジメントに関わるコストなどが計上される。
一方、「アットリスクCM方式」とは、同社が施主に代わって施工会社と直接、工事請負契約を結ぶ方式で、売上高はマネジメントフィーに工事管理フィー、建設工事の実費額(コスト)が加算されることになる。売上原価にはマネジメントフィーや工事管理フィーにかかる社内コストと、施主が承認した建設工事の実費額(オープンブック方式)が含まれる。工事実費額が売上高と売上原価に同額で計上されるため、売上総利益率で見れば「アットリスクCM方式」のほうが低くなる。このため、同社は経営指標として売上高ではなく、売上総利益と経常利益をベースに収益管理を行っている。
ここ数年は、「アットリスクCM方式」が減少し、「ピュアCM方式」が増え、2021年3月期以降は、ほぼすべてが「ピュアCM方式」の案件となっている。経常利益が過去最高を更新している中、売上高が減少している理由は、同社サービスの契約形態の変化によるものである。
2. 「明豊のCM」の特徴
同社は経営理念に「フェアネス」と「透明性」を掲げ、プロが供給側に偏在するなかで、施主側に立つことに徹した発注者支援をメイン業務としている。CM方式の最大のメリットは、一般的な一括請負方式と比較して、発注プロセスと工事項目別コストを発注者(施主)と可視化されたなかで共有し、複数の選択肢から顧客が納得する最適な方法を選択、実行できることにある。同社は20数年にわたる数多くの事例から得られた実勢コストを社内でデータベース化しており、発注者側に立って適正な費用の査定が行えることを強みとしている。
「明豊のCM」方式では基本計画や、建築、電気・空調・情報通信・AV機器などの設備工事に至るまであらゆる分野の専門家を社内に配置し、顧客側に立った適正な基本計画づくりやコスト管理・査定を行っている。このため、過大に見積られた費用があれば発注者へ説明し、発注者が元請け業者に指摘し改善させる、あるいは分離発注を行って直接施工業者へ発注することで、余剰なコストを圧縮している。また、顧客が事業の検討を開始した基本構想段階で精緻な予算を作成し、これを顧客の予算を上限(CAP)として管理された予算内での「プロジェクトの早期立ち上げ」に貢献するなど、顧客目標を確実に達成することで高い信頼を獲得している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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