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明豊ファシリティワークスのニュース
■要約
明豊ファシリティワークス<1717>は、建築に関して技術的な中立性を保ちつつ、発注者(施主)側に立って基本計画作成や工事発注方式の検討、競争入札、品質・工程・コストの管理などを行うコンストラクション・マネジメント(以下、CM)事業(発注者支援事業)を展開する。ITの積極活用によりプロジェクトのすべてのプロセスを可視化しており、「フェアネス」と「透明性」を保ちながら、高い専門性と提案力に裏打ちされた「高品質なマネジメントサービスの提供」「プロジェクトの早期立ち上げ支援」を行うことで顧客からの信頼を獲得し、成長を続けている。完成工事高(アットリスクCM方式による売上高)がなくなり、すべての売上がマネジメントサービス収入(ピュアCM方式による収入)になったことを受け、2020年10月に東京証券取引所における所属業種が「建設業」から「サービス業」に移っている。
1. 2021年3月期の業績概要
2021年3月期の業績は、売上高で前期比2.6%減の4,240百万円、経常利益で同0.5%増の910百万円となった。売上高はアットリスク方式の案件がなくなり、すべてピュアCM方式の案件になったため減収となったが、経常利益は11期連続の増益を達成した。大企業や公共団体などでCMの導入メリットが浸透し、既存顧客からのリピート受注だけでなく、新規顧客からの引き合いも増加したことが要因だ。プロジェクトの基本計画策定段階から参加する案件も増加傾向にあり、付加価値の向上につながっている。
2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の売上高は前期比0.7%増の4,270百万円、経常利益は同1.0%増の920百万円となる見通し。CM事業については民間・公共ともに旺盛な需要があり、着実な成長が見込まれるものの、オフィス事業については新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響も鑑みて保守的に見ているようだ。また、費用面では競争優位性を高めるためのDX投資や、増員に伴う人件費増を見込んでいる。ただ、同社の業績計画は期初段階で保守的に策定する傾向にあり、今後、市場環境が悪化しなければ、会社計画を上振れする可能性もあると弊社では見ている。
3. 事業戦略
同社は今後の事業戦略として、視野を広げたCM事業の創造と新たな価値の提供、並びに競争優位性としての生産性向上に取り組んでいく方針だ。社会環境がコロナ禍で大きく変化したことや、大手企業・自治体などでCM業務の導入メリットが浸透してきたことを背景に、発注者ニーズも多様化、複雑化する傾向となっている。こうしたなかで同社は、中立性、高い技術力、幅広い技術的網羅性、デジタル活用など独自の強みを生かして顧客ニーズを取り込むだけでなく、個々の要求を上回る価値(品質、コスト、スピード)を提供していくことで、さらなる成長につなげていく戦略だ。また、ESG/SDGsに関する取り組みが企業や自治体などで今後活発化していくものと想定されるなか、同社における脱炭素等に関する対応実績を横展開する等して、こうした需要も取り込んでいく。具体的には、環境に配慮した施設の導入・運用支援や施設の長寿命化のための提案、支援業務などに注力する。競争優位性を高めていくために、DXを重視し、自社システムの開発強化を図るとともに、人材育成などにも注力して更なる生産性向上を図っていく。新たな取り組みとして、CM業務において個々の知見とデータを融合してナレッジ化し、CMサービスの付加価値向上につなげていくための新組織であるナレッジ・センターを2021年4月に開設している。
4. 株主還元策について
同社は2021年4月に配当方針の変更を発表した。内部留保の充実が図られたこと、並びに今後多額の運転資金が必要となるアットリスクCM方式のサービス提供がなくなったことから、株主還元率を高めることとした。具体的には、配当性向基準を従来は35%を目安としていたものを50%に引き上げた。これにより、2022年3月期の1株当たり配当金は前期比2.0円増配の28.0円(配当性向50.2%)と9期連続の増配となる見込みだ。
■Key Points
・2021年3月期は営業利益、経常利益で過去最高を更新
・2022年3月期の業績はDX投資や人材投資を継続しつつ増収増益を見込む
・ESG/SDGsをテーマとした新たなCM需要の取り込みと、生産性向上による競争優位性の確保を推進していく
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
明豊ファシリティワークス<1717>は、建築に関して技術的な中立性を保ちつつ、発注者(施主)側に立って基本計画作成や工事発注方式の検討、競争入札、品質・工程・コストの管理などを行うコンストラクション・マネジメント(以下、CM)事業(発注者支援事業)を展開する。ITの積極活用によりプロジェクトのすべてのプロセスを可視化しており、「フェアネス」と「透明性」を保ちながら、高い専門性と提案力に裏打ちされた「高品質なマネジメントサービスの提供」「プロジェクトの早期立ち上げ支援」を行うことで顧客からの信頼を獲得し、成長を続けている。完成工事高(アットリスクCM方式による売上高)がなくなり、すべての売上がマネジメントサービス収入(ピュアCM方式による収入)になったことを受け、2020年10月に東京証券取引所における所属業種が「建設業」から「サービス業」に移っている。
1. 2021年3月期の業績概要
2021年3月期の業績は、売上高で前期比2.6%減の4,240百万円、経常利益で同0.5%増の910百万円となった。売上高はアットリスク方式の案件がなくなり、すべてピュアCM方式の案件になったため減収となったが、経常利益は11期連続の増益を達成した。大企業や公共団体などでCMの導入メリットが浸透し、既存顧客からのリピート受注だけでなく、新規顧客からの引き合いも増加したことが要因だ。プロジェクトの基本計画策定段階から参加する案件も増加傾向にあり、付加価値の向上につながっている。
2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の売上高は前期比0.7%増の4,270百万円、経常利益は同1.0%増の920百万円となる見通し。CM事業については民間・公共ともに旺盛な需要があり、着実な成長が見込まれるものの、オフィス事業については新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響も鑑みて保守的に見ているようだ。また、費用面では競争優位性を高めるためのDX投資や、増員に伴う人件費増を見込んでいる。ただ、同社の業績計画は期初段階で保守的に策定する傾向にあり、今後、市場環境が悪化しなければ、会社計画を上振れする可能性もあると弊社では見ている。
3. 事業戦略
同社は今後の事業戦略として、視野を広げたCM事業の創造と新たな価値の提供、並びに競争優位性としての生産性向上に取り組んでいく方針だ。社会環境がコロナ禍で大きく変化したことや、大手企業・自治体などでCM業務の導入メリットが浸透してきたことを背景に、発注者ニーズも多様化、複雑化する傾向となっている。こうしたなかで同社は、中立性、高い技術力、幅広い技術的網羅性、デジタル活用など独自の強みを生かして顧客ニーズを取り込むだけでなく、個々の要求を上回る価値(品質、コスト、スピード)を提供していくことで、さらなる成長につなげていく戦略だ。また、ESG/SDGsに関する取り組みが企業や自治体などで今後活発化していくものと想定されるなか、同社における脱炭素等に関する対応実績を横展開する等して、こうした需要も取り込んでいく。具体的には、環境に配慮した施設の導入・運用支援や施設の長寿命化のための提案、支援業務などに注力する。競争優位性を高めていくために、DXを重視し、自社システムの開発強化を図るとともに、人材育成などにも注力して更なる生産性向上を図っていく。新たな取り組みとして、CM業務において個々の知見とデータを融合してナレッジ化し、CMサービスの付加価値向上につなげていくための新組織であるナレッジ・センターを2021年4月に開設している。
4. 株主還元策について
同社は2021年4月に配当方針の変更を発表した。内部留保の充実が図られたこと、並びに今後多額の運転資金が必要となるアットリスクCM方式のサービス提供がなくなったことから、株主還元率を高めることとした。具体的には、配当性向基準を従来は35%を目安としていたものを50%に引き上げた。これにより、2022年3月期の1株当たり配当金は前期比2.0円増配の28.0円(配当性向50.2%)と9期連続の増配となる見込みだ。
■Key Points
・2021年3月期は営業利益、経常利益で過去最高を更新
・2022年3月期の業績はDX投資や人材投資を継続しつつ増収増益を見込む
・ESG/SDGsをテーマとした新たなCM需要の取り込みと、生産性向上による競争優位性の確保を推進していく
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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