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ファーストコーポレーションのニュース
■業績動向
1. 2022年5月期第2四半期の業績概要
ファーストコーポレーション<1430>の2022年5月期第2四半期は、売上高が前年同期比89.8%増の14,560百万円、営業利益が同221.2%増の806百万円、経常利益が同257.7%増の802百万円、四半期純利益が同278.9%増の560百万円と、大幅な増収増益を達成した。特に純利益の伸びが大きく、278.9%増と4倍弱に急伸していることは注目に値する。このことからも同社の造注方式を中心とした事業モデルが高い収益性を可能にしていることが窺えるだろう。第2四半期末までにマンション事業用地2件を売却したことによって不動産売上高が同21.9倍と急伸するなか、販管費率を7.8%から4.3%へと減少させるなど、コスト抑制努力が実を結び、大幅な増収増益を達成した格好だ。
2. 2022年5月期の業績見通し
受注については、受注額と件数がそれぞれ22,000百万円、7件と、2021年5月期よりも減少を見込むものの、利益率に関しては拡大が予想される。全受注金額のうち、15,000百万円が造注方式によるものであり、高い収益性が期待できるためだ。これにより2022年5月期の造注方式比率は前期比プラス32.4ポイントの68.2%に急伸することが見込まれている。
2022年5月期通期では、売上高が前期比26.7%増の26,500百万円、営業利益が同3.2%増の1,720百万円、経常利益が同5.7%増の1,700百万円、当期純利益が5.0%増の1,182百万円と、増収増益になることを見込んでいる。計画値に対するそれぞれの進捗率は、売上高が54.9%、営業利益が46.9%、経常利益が47.2%、当期純利益が47.4%となっている。通期の計画に対して、群馬県前橋市の再開発案件と、現在は解体中の千葉市中央区における大型案件の着工が予定されていることから、弊社では充分に達成可能であると考えている。
全体的に工事、不動産販売とも現時点で確実性の高いもので見通しを立てており、2022年5月期の予想については保守的と見られ、上振れの余地が大きいと弊社は考える。特に2022年5月期第4四半期に受注が予定されている2案件は、造注方式によるものとなっている。売上は工事進行基準で計上されることから、今後3年ほどは高い利益率が継続することに注目したい。
コロナ禍による影響が懸念されながらも、販売面は引き続き好調に推移しそうだ。特に、課題になっていた群馬県前橋市の再開発案件が2021年5月期から寄与し始め、これが2022年5月期、2023年5月期ともに安定した収益源として貢献する。利益面については、2021年5月期の不動産事業で想定以上の販売価格となったことを考慮すれば、売上高に比べて伸び率は小さいながらも、好調に推移すると弊社は考えている。
完成工事総利益は2021年5月期の1,257百万円から2022年5月期は1,695百万円と前期比34.8%増を見込んでいる。2021年5月期の増益は不動産事業に助けられたことが大きいが、2022年5月期は造注比率の上昇もあって、主力のマンション建設・販売で収益を拡大させることになりそうだ。
3. 財務状況
財務の健全性を示す自己資本比率は35.8%となっているものの、1年のうちに返済する必要のある負債に対する1年のうちに現金化される資産の割合を示した流動比率が230.4%と高水準であり、手元流動性には問題がない。利益剰余金の負債純資産合計に占める割合が32.9%と過去の利益がしっかりと積み上がってきていること、営業キャッシュ・フローが1,173百万円とプラスになっていることなどの理由から、財務状況に関しては特筆すべき問題はないと弊社は考えている。
その他の指標は、自己資本利益率(ROE)が8.8%、株価収益率(PER)は17.4倍などとなっている。今後は、アクティブシニア向けマンション、再開発事業、分譲マンション自社ブランドなど収益源の多様化を図るなかでROEが向上していくことが期待できると弊社は考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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1. 2022年5月期第2四半期の業績概要
ファーストコーポレーション<1430>の2022年5月期第2四半期は、売上高が前年同期比89.8%増の14,560百万円、営業利益が同221.2%増の806百万円、経常利益が同257.7%増の802百万円、四半期純利益が同278.9%増の560百万円と、大幅な増収増益を達成した。特に純利益の伸びが大きく、278.9%増と4倍弱に急伸していることは注目に値する。このことからも同社の造注方式を中心とした事業モデルが高い収益性を可能にしていることが窺えるだろう。第2四半期末までにマンション事業用地2件を売却したことによって不動産売上高が同21.9倍と急伸するなか、販管費率を7.8%から4.3%へと減少させるなど、コスト抑制努力が実を結び、大幅な増収増益を達成した格好だ。
2. 2022年5月期の業績見通し
受注については、受注額と件数がそれぞれ22,000百万円、7件と、2021年5月期よりも減少を見込むものの、利益率に関しては拡大が予想される。全受注金額のうち、15,000百万円が造注方式によるものであり、高い収益性が期待できるためだ。これにより2022年5月期の造注方式比率は前期比プラス32.4ポイントの68.2%に急伸することが見込まれている。
2022年5月期通期では、売上高が前期比26.7%増の26,500百万円、営業利益が同3.2%増の1,720百万円、経常利益が同5.7%増の1,700百万円、当期純利益が5.0%増の1,182百万円と、増収増益になることを見込んでいる。計画値に対するそれぞれの進捗率は、売上高が54.9%、営業利益が46.9%、経常利益が47.2%、当期純利益が47.4%となっている。通期の計画に対して、群馬県前橋市の再開発案件と、現在は解体中の千葉市中央区における大型案件の着工が予定されていることから、弊社では充分に達成可能であると考えている。
全体的に工事、不動産販売とも現時点で確実性の高いもので見通しを立てており、2022年5月期の予想については保守的と見られ、上振れの余地が大きいと弊社は考える。特に2022年5月期第4四半期に受注が予定されている2案件は、造注方式によるものとなっている。売上は工事進行基準で計上されることから、今後3年ほどは高い利益率が継続することに注目したい。
コロナ禍による影響が懸念されながらも、販売面は引き続き好調に推移しそうだ。特に、課題になっていた群馬県前橋市の再開発案件が2021年5月期から寄与し始め、これが2022年5月期、2023年5月期ともに安定した収益源として貢献する。利益面については、2021年5月期の不動産事業で想定以上の販売価格となったことを考慮すれば、売上高に比べて伸び率は小さいながらも、好調に推移すると弊社は考えている。
完成工事総利益は2021年5月期の1,257百万円から2022年5月期は1,695百万円と前期比34.8%増を見込んでいる。2021年5月期の増益は不動産事業に助けられたことが大きいが、2022年5月期は造注比率の上昇もあって、主力のマンション建設・販売で収益を拡大させることになりそうだ。
3. 財務状況
財務の健全性を示す自己資本比率は35.8%となっているものの、1年のうちに返済する必要のある負債に対する1年のうちに現金化される資産の割合を示した流動比率が230.4%と高水準であり、手元流動性には問題がない。利益剰余金の負債純資産合計に占める割合が32.9%と過去の利益がしっかりと積み上がってきていること、営業キャッシュ・フローが1,173百万円とプラスになっていることなどの理由から、財務状況に関しては特筆すべき問題はないと弊社は考えている。
その他の指標は、自己資本利益率(ROE)が8.8%、株価収益率(PER)は17.4倍などとなっている。今後は、アクティブシニア向けマンション、再開発事業、分譲マンション自社ブランドなど収益源の多様化を図るなかでROEが向上していくことが期待できると弊社は考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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