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日経平均株価のニュース
明日の株式相場に向けて=晩夏の二度咲き、さくらネットに続くのは
きょう(20日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比674円高の3万8062円と急反発。前日の後場にあれよという間に値を崩し大幅安となったが、くしくもきょうは前日の下げ幅とピタリ合致する戻りを演じた。日替わりで猫の目のように変わる読みにくい相場が続く。そのなか、きょうはグロース市場の戻りが目立った。足もとで中小型株のモメンタム相場の色が強く、テーマとしては久しぶりに生成AI関連に出番が回っている。
生成AIに限ったことではないが、新たな成長市場が創出される時は、その初動は未知数ゆえに期待感が先に立つのは避けられない。株価が上昇するということは単純に言ってしまえばその銘柄を買いたい人が多い、人気が集まっているからこそ起こる現象である。つまり当該企業の近未来の成長可能性を織り込む形で株価は水準を切り上げる。しかし、これは時に行き過ぎるため、その修正がどこかのタイミングで入ることになる。基本的にはバブル部分が剥落するわけだが、「買い被り」過ぎると収縮ではなく、破裂する形で株価がクラッシュするケースへと発展する。2000年のITバブル崩壊は、膨らみ過ぎて破裂した事例といえる。個別株では当時の光通信<9435.T>の急騰急落はその典型であった。
近年の生成AIというテーマは、2000年当時のITバブルよりは現時点ではるかに成長期待を裏付ける実績があるが、関連株が過剰に買われてきた印象は否めない。ここ最近のエヌビディア<NVDA>を筆頭とするAI半導体の周辺銘柄が値を崩したのは、そうした部分の調整で、これは企業のファンダメンタルズに対する明確な失望ではなく、株式需給面での偏りが是正された、いわばプチバブル崩壊のようなものである。
したがって需給が改善すれば、再び株価のベクトルは上向きに変わる。例えばここエヌビディアの株価の戻りが顕著となっているが、同社は来週28日(日本時間29日)に上期決算を発表予定にあり、それを前に好決算を先取りする動きともいえる。実際、好決算かどうかはフタを開けて見ないことには分からない。ただ、今月初旬に年初からの強力な下値サポートラインであった75日移動平均線をいったん下放れてからの株価復元は、実需の押し目買い、もしくは空売り買い戻しのいずれにしても強い数字を予想する向きが多いことを暗に示唆している。もし、エヌビディアが決算発表後に一段と上値を追うような展開で最高値圏に浮上するような展開となれば、日米ともに売り込まれた生成AI関連株の見直しムードが急速に高まる可能性はある。
前日の米国株市場ではエヌビディアが大幅高に買われたが、その後塵を拝することなく株価を大きく上昇させたのがライバル企業であるアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>だった。AMDはサーバーの製造やデザインを手掛ける米ZTシステムズを49億ドルで買収することを発表、これによりAI用半導体事業の強化、換言すれば“生成AIシフト”に本腰を入れる構えを明示し、これが投資マネーの食指を動かした。
この流れは、海を渡って東京市場にも及んだ。信用買いの投げ売りで需給の枯れた銘柄が多かった生成AI関連(データセンター関連)に火が付いたが、その代表格は、きょうストップ高を演じたさくらインターネット<3778.T>である。株価は今年3月初旬に瞬間風速で1万980円の上場来高値を形成したが、その直後に急反落し長い下降トレンドを余儀なくされた。8月上旬には2300円まで水準を切り下げ、高値から約80%の下落と容赦なく売り叩かれた。これでも時価予想PERは100倍程度と高いのだが、需給の歯車が逆回転を始めた時はファンダメンタルズを論じてもあまり意味がない。この流れに沿って、生成AI関連の出遅れ株を探す作業が始まりそうだ。関連銘柄としてはブロードバンドタワー<3776.T>、フィックスターズ<3687.T>、ヘッドウォータース<4011.T>、テックファームホールディングス<3625.T>、FRONTEO<2158.T>などに注目。
あすのスケジュールでは、7月の貿易統計、7月の食品スーパー売上高、実質輸出入動向、7月の訪日外国人客数など。また、東証グロース市場にオプロ<228A.T>が新規上場する。海外ではタイ中銀、インドネシア中銀の政策金利発表、米国ではFOMC議事録(7月30~31日開催分)にマーケットの関心が高い。なお、フィリピン市場は休場。(銀)
出所:MINKABU PRESS
生成AIに限ったことではないが、新たな成長市場が創出される時は、その初動は未知数ゆえに期待感が先に立つのは避けられない。株価が上昇するということは単純に言ってしまえばその銘柄を買いたい人が多い、人気が集まっているからこそ起こる現象である。つまり当該企業の近未来の成長可能性を織り込む形で株価は水準を切り上げる。しかし、これは時に行き過ぎるため、その修正がどこかのタイミングで入ることになる。基本的にはバブル部分が剥落するわけだが、「買い被り」過ぎると収縮ではなく、破裂する形で株価がクラッシュするケースへと発展する。2000年のITバブル崩壊は、膨らみ過ぎて破裂した事例といえる。個別株では当時の光通信<9435.T>の急騰急落はその典型であった。
近年の生成AIというテーマは、2000年当時のITバブルよりは現時点ではるかに成長期待を裏付ける実績があるが、関連株が過剰に買われてきた印象は否めない。ここ最近のエヌビディア<NVDA>を筆頭とするAI半導体の周辺銘柄が値を崩したのは、そうした部分の調整で、これは企業のファンダメンタルズに対する明確な失望ではなく、株式需給面での偏りが是正された、いわばプチバブル崩壊のようなものである。
したがって需給が改善すれば、再び株価のベクトルは上向きに変わる。例えばここエヌビディアの株価の戻りが顕著となっているが、同社は来週28日(日本時間29日)に上期決算を発表予定にあり、それを前に好決算を先取りする動きともいえる。実際、好決算かどうかはフタを開けて見ないことには分からない。ただ、今月初旬に年初からの強力な下値サポートラインであった75日移動平均線をいったん下放れてからの株価復元は、実需の押し目買い、もしくは空売り買い戻しのいずれにしても強い数字を予想する向きが多いことを暗に示唆している。もし、エヌビディアが決算発表後に一段と上値を追うような展開で最高値圏に浮上するような展開となれば、日米ともに売り込まれた生成AI関連株の見直しムードが急速に高まる可能性はある。
前日の米国株市場ではエヌビディアが大幅高に買われたが、その後塵を拝することなく株価を大きく上昇させたのがライバル企業であるアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>だった。AMDはサーバーの製造やデザインを手掛ける米ZTシステムズを49億ドルで買収することを発表、これによりAI用半導体事業の強化、換言すれば“生成AIシフト”に本腰を入れる構えを明示し、これが投資マネーの食指を動かした。
この流れは、海を渡って東京市場にも及んだ。信用買いの投げ売りで需給の枯れた銘柄が多かった生成AI関連(データセンター関連)に火が付いたが、その代表格は、きょうストップ高を演じたさくらインターネット<3778.T>である。株価は今年3月初旬に瞬間風速で1万980円の上場来高値を形成したが、その直後に急反落し長い下降トレンドを余儀なくされた。8月上旬には2300円まで水準を切り下げ、高値から約80%の下落と容赦なく売り叩かれた。これでも時価予想PERは100倍程度と高いのだが、需給の歯車が逆回転を始めた時はファンダメンタルズを論じてもあまり意味がない。この流れに沿って、生成AI関連の出遅れ株を探す作業が始まりそうだ。関連銘柄としてはブロードバンドタワー<3776.T>、フィックスターズ<3687.T>、ヘッドウォータース<4011.T>、テックファームホールディングス<3625.T>、FRONTEO<2158.T>などに注目。
あすのスケジュールでは、7月の貿易統計、7月の食品スーパー売上高、実質輸出入動向、7月の訪日外国人客数など。また、東証グロース市場にオプロ<228A.T>が新規上場する。海外ではタイ中銀、インドネシア中銀の政策金利発表、米国ではFOMC議事録(7月30~31日開催分)にマーケットの関心が高い。なお、フィリピン市場は休場。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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