注目は中国関連。30日を前に景気刺激策も?

著者:小野山功
投稿:2015/10/23 18:50

~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~

※10/23 19:00 誤字修正

★【先にECBが追加緩和】注目は中国関連!30日を前に景気刺激策も?

10月23日の東京市場で日経平均株価は8月31日以来、およそ2ヶ月ぶりに18800円台を回復しました。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が22日、次回12月の理事会において量的緩和を拡大させると示唆。追加緩和により欧州経済が改善に向かうとの期待感から、主力株に買いが入りました。

欧州が量的緩和政策を拡大させるとの見方が強まったことで、日銀としても追加緩和に動きやすくなったとみることもできるでしょう。

10月30日の日銀・金融政策決定会合に向けて、来週は追加緩和期待が相場の下支えになりそうです。

■今回見送りでも、11月半ばに材料あり。

8月の消費者物価指数はコアCPIが前年同期比0.1%減と、2年4ヶ月ぶりにマイナスに転じました。

ただ、日銀では足元の物価下落の要因は原油価格の下落に伴う一時的な要因と説明しています。

エネルギーを除くコアCPIは上昇基調を維持しており、現状維持が妥当と判断される恐れもあります。

仮に緩和見送りとなった場合も、日銀当座預金の超過準備にかかる付利(0.1%)の撤廃やETFの買い入れ増額など打つ手はありますが、期待が高まっている分、緩和見送りとなった場合も失望売りには注意も必要です。

金融政策について話し合う金融政策決定会合は、10月30日の会合を除いて年内にあと2回の開催が予定されています。今回は見送られたとしても、11月半ばに発表される7~9月期の国内総生産(GDP)1次速報の数字が悪ければ、追加緩和期待が再燃することでしょう。

■日銀会合の前に、中国が景気対策を打ち出すか?

一方、日銀会合の前に中国で、今後5年間の経済運営を議論する第5回中央委員会全体会議(5中全会)が開催されるため、景気刺激策への期待が高まる可能性がありそうです。

10月19日に中国の7~9月期のGDPが発表され、6年半ぶりに7%を下回りました。中国政府は2015年度の経済成長を7%前後としており、目標を割り込んだわけではないものの、失速感が見られているのは事実です。

5中全会の開催期間中は、景気対策が打ち出されることへの期待感が高まる可能性があります。中国経済の影響を受けやすい(5401)新日鐵住金、(6301)コマツ(6954)ファナックなど関連銘柄の動向が注目されます。

小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想