再び忍び寄る中国リスク

著者:川島寛貴
投稿:2015/10/21 17:35

上昇の日本株と置き去りのドル円

昨日は16時と同時に原因不明にクロス円が上昇。

その後もジワジワと下値を固めながら、にわかショートの損切りを巻き込み119円台後半へ。後場の日経平均の上昇に置き去りにされながら、ドル円は14時にようやく120円をヒットし、ここでようやく買い手の利益確定が出たというところでしょう。

昨日の夕方から売り手が捕まっていると思われますので、本来であればもっと跳ねても良いところですが、鈍い動きとなっています。

値動きから察するに、まだ売りポジションは一掃されていないので、119.80円付近に下がったところは売り手のロスカットも湧いてきて下値を支えるのではないでしょうか。
加えて、ドル円は120円のオプションがかなり大きいものがあるようで、この期間が来週後半までだそうです。

しばらく120円を挟んで鈍い動きが考えられますので、基本的には上記の理由から119.80円付近で買って120円より上で利食うというデイトレ戦略が良さそうです。

中国大手企業がデフォルトの危機

昨日、中国の鉄鋼大手であるシノ・スチールが、社債の利払いが遅れておりデフォルトの可能性が高まっているようだと報じられました。まだ、日本語のニュースがあまり出回っておらず詳細は定かではないのですが、当局がこれを防ごうと奔走しているようです。
予定されている利払い額は、3億1500万ドル(約378億円)ほどとなっておりそれほど巨額ではありません。しかしながら、中国の大手企業のデフォルトというトピックスはマーケットが非常に敏感に反応する話題です。

フォルクスワーゲンの時のように、Who is next?とばかりに、不信感が漂えばマーケットは簡単に崩壊してしまいます。今日の上海は後場ようやく下げ始めたというところですので、この話題がどこまで織り込まれているのか未知数ですが、これが中国株の上値を抑えることになりそうです。かなり売り込まれている中国株ですので、夏場のように何週間も下落が続く相場はなかなか来ないと思いますが、こうしたニュースは小まめに目をつけておいた方が初動に乗りやすくなります。

こうなれば、中国との経済的かかわりが深いオーストラリアドルを売りたいところですが、それよりもニュージーランドドルのほうがよさそうです。
昨晩、乳価の発表で大きく下落したニュージーランドドルですが、本日はフィッチが乳製品大手のフォンテラの格下げも実施。
これは完全にサプライズですし、チャートも完全に崩れてしまっています。

ドル円が動きそうにないことから、通貨ペアは素直に対ドルをチョイス。現在0.67ドル前半で推移していますが、あと100ポイントしたの0.66前半あたりまでは狙えるのではないでしょうか。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想