ドル円119円台は買い

著者:川島寛貴
投稿:2015/09/28 17:25

キャッシュポジションの行方は。。

まずはドル円の日足チャートをご覧ください。
8月24日に大暴落を引き起こした後は、ボラティリティの高い相場が続いた後、徐々にエネルギーを発散しながら120円に収束しているという状態です。

乱高下の後に有りがちなキャッシュポジション比率が相当増加し、トレーダーは高値買い、安値売りを控えているようです。
このような状態ですので、基本的にはサプライズ的な期待や材料が出てくるまでは、大きく動かないレンジ相場が形成されると考えられます。
しかし細かく見ると、直近は119円台でNYクローズしていません。このことから、NY市場ではそこそこのドル買い需要が出ていると考えられます。

金曜日にはGDP確報値が3.9%と市場予想(3.6%)を上回る結果となり121円台に載せましたが、東京時間からすでに買われてしまっていたので、利益確定の場となりました。
これらの値動きを見る限り、ざっと119円台後半~121円台前半のレンジトレードを行うことが無難のようです。

気になる米国の利上げは12月でほぼ決定でしょう。10月ではサプライズ感がある状態ですし、12月も利上げしないとなると、マーケットが再び混乱してしまいます。
そして10月の日銀ですが、新たな三本の矢とGDP600兆円という目標に加え、郵政3社の上場も控えており、にわかに追加緩和への期待が高まってきているようです。
しかし、このタイミングで黒田総裁が『最後のカード』を切ってくることは考えづらく、結局は現状維持で終わるってしまいそうです。

今週末の雇用統計はそこそこの数字が出るであろうことが想定されているようですから、先週と同様に119円割れがあれば良い買い場となりそうです。

ここでドル円の底上げの鍵を握るのは、今夜発表されるPCEコア・デフレーターとダドリーNY連銀総裁の講演です。
特に、ダドリー総裁は常に投票権のあるNY連銀ですから、イエレン議長、フィッシャー副議長の次に影響力があると考えて良いでしょう。
木曜日にイエレン議長はFOMCの火消的発言を行いましたが、ダドリー氏はどういったスタンスとなるのかに注目が集まります。相当タカ派的発言が出たとしても、やはり121円台でNYクローズするまではしっかりと利益確定はしておきたいところ。

いずれにせよ、日経平均も17,500円を割り込んだところでは結局買われている状態ですので、しっかりとレンジブレイクするまではレンジ内でのデイトレが効果的だと思われます。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想