9月下旬からは買い優勢に?当面のポイントは2つ

著者:小野山功
投稿:2015/09/14 19:12

~ 小野山功が見通す「今週の株価材料」 ~

★【新興市場は堅調推移】9月下旬からは買い優勢に?当面のポイントは2つ

先週の株式市場が荒っぽい値動きとなりました。9日(水)には日経平均株価が1343円高と歴代6番目の上げ幅を記録。翌日は一時800円超下落するなど目まぐるしい値動きでした。

背景には先物の存在があります。11日(金)に9月限月の先物・オプション特別清算指数(SQ)の算出日を迎えるため、先物への思惑的な売買で上にも下にも値幅が大きくなりました。

一方、先物市場が存在しないジャスダック、マザーズの新興2市場は我関せずといった様子。1部市場の混乱をよそ目に、11日まで3日続伸しました。

荒っぽい値動きになった要因は、SQに絡む売り方・買い方の攻防によるものです。7日~9日までは日中の値幅が500円を超え、10日も460円と大きく動きました。一方、SQを終えた11日の値幅は、240円ほどに縮小しています。

■当面のポイントは「ボラティリティの縮小」

株価が1日に3%も4%も動くようであれば、2%程度の配当金は全く魅力的ではありません。2%の配当をもらえたところで、翌日に3%下げたら元も子もないわけです。

株価のボラティリティ(変動率)の高まったために手控えムードが広がりましたが、値動きが落ち着くようであれば、3月企業の中間配当を狙った買いが9月25日(金)の権利付最終売買日に向けて入ってくるでしょう。

また、10月下旬からの決算シーズンに向けて、業績面を期待した買いも次第に入ってくることが見込まれます。当面のポイントは、ボラティリティが縮小するかどうかにあると言えます。

■「日銀買い」枠の増額があれば思わぬ支援材料に

さて、今週の最大の注目点は16日(水)~17日(木)に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)です。利上げの有無が焦点になりますが、利上げ見送りとなれば、米国経済はまだ回復途上なのかと弱気な見方に傾く可能性もあり、どちらに転んでも判断は分かれるところです。

一方、FOMCの陰に隠れて存在感は薄いものの、14日、15日にかけて日銀の金融政策決定会合が開催され、これが思わぬ相場の支援材料になる可能性があります。

日銀は2015年に総額3兆円のETF買い入れを発表していますが、残り6300億円程度まで枠が縮小しています。

9月は1回あたり317億円を買い入れており、このままのペースであれば、残り20回ほどで枠を使い果たしてしまいます。

12月末まで残り3ヶ月半。今回の会合ではETF買い入れの増額についても議論される可能性があり、枠の増額がされた場合は好感した買いが期待できそうです。

小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想