自律反発の流れ継続、不安心理やや和らぐ

著者:冨田康夫
投稿:2015/08/26 20:31

27日の株式相場見通し

あすの東京株式市場は、きょう日経平均株価が7日ぶりに大幅反発したことを受け、ひとまず不安心理がやや和らぎ、相場に落ち着きが出はじめたとの受け止めから自律反発の流れが継続しそうだ。
ただ、株価指数先物を駆使した短期スタンスの投資家による仕掛け的な売買も想定されるため、変動幅の大きな展開が続く可能性もある。

市場関係者からは「きのうまでの6日続落で、日経平均株価の下落幅の合計は2813円(終値ベース)に達している。したがって、目先的な自律反発の余地はもう少しありそうだ。ただ、リバウンドに一巡感が出た後に、当然ながら2番底を探る動きも想定しておきたい」との見方が出ていた。

26日の東京株式市場は、朝方は不安定な動きをみせていたものの、後場に入って日経平均株価が一気に上昇幅を広げ、終値は前日比570円13銭高の1万8376円83銭と急反発した。中国人民銀行が25日、政策金利と預金準備率の追加引き下げを決定したことが好感された。

日程面では、7月の鉄鋼輸出実績、7月のセメント国内販売量に注目。
海外では、米4~6月期のGDP改定値、米ジャクソンホールで金融・経済シンポジウム開催(~29日)が焦点となる。

保険セクターの上昇際立つ、生保業界再編の思惑が広範囲に株価刺激

第一生命保険<8750>T&Dホールディングス<8795>がいずれも4%強の上昇できょうの高値圏で推移してたほか、東京海上ホールディングス<8766>MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>など損保株も大幅高に買われ、保険セクターは業種別値上がり率で断トツに買われた。

日本生命保険が三井生命保険を買収する方向で最終調整に入ったことが各メディアを通じて伝わり、国内生保首位に躍り出る可能性が出てきた。これが損保も含め広範囲に再編思惑として株価を強く刺激している。ペット保険最大手のアニコム ホールディングス<8715>にも物色資金が回っている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想