【売り】SPDR S&P500 ETF(1557):一旦の反落を予想します=GLA小池麻千子

投稿:2015/08/02 16:59

一旦の反落を予想します

米国の2015年第2四半期の企業決算の発表は7割方終了しました。これまでのところ主要企業の利益成長率は3年ぶりの弱い数字となっています。エネルギー関連企業の大幅減益が目立ちますが、IT企業も市場の高過ぎる期待に届かず、発表翌日に暴落するケースが後を絶ちません。

たとえば、SNS大手のツイッター(TWTR)の第2四半期の利益は、前年同期比+3.5倍増、売上成長も+61%増で、どちらも市場予想平均を超えて着地しました。引け後に発表された好決算を受け、時間外取引で当初株価急伸したのですが、翌日の本取引では▼14.5%も急落しました。ツイッターの会員数成長ペースが減速しているとのことですが、これは今に始まったことでなく、2年以上前から毎四半期続いている現象です。

このように単に大幅な増収増益や予想を超えるだけでは株価が上がりにくくなっているどころか、まるで大幅減益を出してしまったかのように暴落する姿を今回多くなっているように感じます。長年の上昇相場でこれらのIT企業の株価は相当高いバリュエーションに達し、期待値のバーは非常に高くなっている模様です。

その高過ぎる期待に、流石の高成長企業もついていけなくなってきたのではないかと感じます。市場予想平均は超えるのですが、アナリスト予想をシングルヒットとして考えれば、それを超える好循環相場に慣れたウォール街は、内心ホームランを期待するようになっており、結果、2塁打で終わると暴落、という具合です。大幅増収増益なら株価上昇、さらに市場平均を上回れば上昇、という単純な構図でないのです。

こうなってしまった以上、企業は一段と高い利益を実現するか、さもなくばウォール街(市場、投資家)の方が期待値、つまり予想PER水準を引き下げるか、のどちらかを必要とする域に入ったと思います。なお、個別の企業決算(米国コングロマリット企業)で、中国市場の減速・リスクに言及したところが複数出ており、注意しておきたいところです。日本でも日産や大手商社から同様のコメントありました。

中長期的には米国経済は堅調に推移しており、株価を上に見ます。しかし、株価は一旦反落するのではないかと予想します。
小池麻千子
グローバルリンクアドバイザーズ 株式アナリスト
配信元: 達人の予想

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