ギリシャだけじゃない「日銀買いの規模縮小」にも注意!

著者:小野山功
投稿:2015/06/29 21:08

~ 小野山功が見通す「今週の株価材料」 ~

★【日銀買いの規模が縮小】ギリシャ問題もさることながら、7月は需給の緩みに注意

ギリシャの債務返済期限が6月30日(火)に迫る中、先週は伸び悩むことが予想されていました。

ただ、蓋をあけるとどうでしょう。予想に反して、日経平均株価はITバブル時の高値(20,833円を更新する意外高となりました。

18日(木)に日経平均株価は一時2万円を割り込みましたが、同日の空売り比率が38.3%と2008年に統計を取り始めて以来、過去最高を更新していました。

ギリシャが6月末にもデフォルト(債務不履行)に陥る可能性があるため、欧州発の株安を見込んで売り仕掛けが入っていたのです。

■予想に反して欧州関連株も上昇

しかし、予想に反して株価は下げません。ギリシャ問題での進展はありませんが、下げないどころか、むしろあれよあれよと上昇したため、焦った売り方が買戻し一気にITバブル時の高値更新となったのです。

ただ、ギリシャ問題が全く意識されていなかったというとそうでもありません。日経平均株価は週間で530円(+2.6%)ほど上昇しましたが、欧州関連株の(7751)キヤノン(配当落ちの影響もありますが)、(4902)コニカミノルタ等が逆行安となりました。

一方、外部環境の影響を受けにくい(9432)NTTには資金が流入し、時価総額は10兆円の大台に乗せています。

■7月は日銀の買い支えが弱まる

さて今週はいよいよ、ギリシャの債務問題がヤマ場となります。3月期末の配当金が手元に入るため、配当の再投資が需給面で支えになるものと考えられますが、外国人投資家は6月第2週までに売り越しに転じており、外国人売りをこなすことができるかが焦点になりそうです。

また、日銀の上場投信(ETF)の1日当たりの買い入れ規模が縮小されることになる見込みです。

“日銀買い”は6月に10回入っており、買い入れ金額が3691億円と月間ではすでに最高を更新しています。

多く買い入れた翌月には、1回あたりの買い入れ額を減らした経緯があるため、7月には減額される可能性があり、日銀買いによる買い支えが弱まることで、需給の緩みが意識されることになりそうです。


小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想