黒田発言は市場を冷やすのが狙い?!

著者:比嘉洋
投稿:2015/06/10 19:50

本日の値動き、ドル買いトレンドの修正

黒田日銀総裁の「実質実効為替レートはかなり円安。一段安はありそうにない」との発言をきっかけに円買いの動きが進んでいます。ドル/円は一時13日移動平均線の-1%近辺である122.50近辺(21日移動平均線もその辺りに位置していました)まで下落しました。プログラム売買の存在も、今回の下げに一役買ったものと思われます。その後の戻りも鈍く、この後のLDN勢の入りが気になるところです。

黒田総裁の発言の意図は分かりませんが、このところのドル/円の上昇ピッチが早く、良い円安・悪い円安の境界線と言われている125円をあっさりと上抜けたことで、市場を冷ます狙いがあったのではないでしょうか。
私は本日の値動きを持って、これまでの流れが変わるとは考えていません。あくまでもこれまでのドル買いトレンドが収まり、レンジ相場へと移行するのではないかと見ています。

明日には米小売売上高の発表が予定されており、市場ではかなり強い結果になるのではないかとの観測も広がっていました。そして、来週にはFOMCも控えており、これまで言われている日米金融政策の違いがより鮮明になるようであれば、再度ドル買いに傾く可能性があります。今回の下げでこのところ再構築されつつありました円売りポジションもかなり手仕舞われたとも考えられます。新たに円買いポジション構築する材料も見当たりませんので、今回の押しが「絶好の買い場」となる気がしているのですが・・・
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想