【買い】FPG(7148):好景気に適応したユニークな事業で業績拡大期待=戸松信博

著者:戸松信博
投稿:2015/05/31 11:59

好景気に適応したユニークな事業で業績拡大期待

タックス・リース・アレンジメント事業、不動産関連事業、保険仲立人事業、M&A(企業の合併・買収)アドバイザリー事業、プライベートバンキング事業、証券事業および投資顧問業を展開。

主力のタックス・リース・アレンジメント事業は、未上場の高収益中小企業を対象に課税の繰り延べ効果があります。
特別目的会社(SPC)を設立し、中小企業から匿名組合出資で資金を集め、銀行から資金を借り入れた上で航空機や船舶などの大型輸送関連設備を購入し、航空会社や海運会社にリースを行います。リース事業は前半に減価償却費が収益よりも先行するので赤字が出るため、出資した中小企業は損金を計上することが出来、課税を繰り延べることができます。タックス・リース・アレンジメント事業は上場会社では同社だけがてがける非常にユニークな事業で先行優位性があると思います。

2015年第1-2四半期の業績は、売上が166.5%増の82億4600万円、営業利益が235.5%増の58億4900万円、経常利益が293.9%増の58億4900万円、当期純利益は、307.8%増の37億円と大幅な増収増益となりました。

企業収益の改善と法人実効税率引き下げの期待を背景に、業績好調な投資家からの需要が旺盛だったため、下期に販売予定であった出資金を前倒しで販売しました。これにより、リース物件出資金販売額が474億6300万円(168%増)となりました。その結果、このような大幅増収・大幅増益となりました。

一方通期予想は売上高が94.6%増の121億7600万円、営業利益が124.7%増の77億7800万円、経常利益が136.0%増の77億100万円、そして純利益が140.1%増の47億7300万円となっています。
進捗率は76%に達し、期末一括配当も10.34円から18.5円に上方修正されました。

同社は、会計事務所や金融機関との提携を強化し、大口投資家の紹介が増加傾向にあります。
儲かる企業と儲からない企業は大きく別れるものの、アベノミクスによる景気拡大の中で儲かる中小企業は今後も収益を積み上げて行く物と見られることから、同社の事業に対する需要は拡大する物と見られます。さらに、同社は、保険仲立人事業やM&Aアドバイザリー事業、不動産や証券事業にも進出し、企業買収で信託分野への参入も。ワンスットップのファイナンシャルサービスを行い、富裕層向けに新たな金融商品サービスを販売するなど、多角化しています。
好況の恩恵を受け、更なる業績拡大に期待できると思います。

またこのほど、節税対策の報告義務化の発表があり、同社の株価は思惑が先行し売られましたが、この対策が同社の事業に悪影響を与えるという理由ははっきりしないところです。オペレーティングリースは2008年4月から導入された会計基準におけるオフバランス取引になります。これまでリース取引は税法の賃貸借処理(オフバランス)が主導的な役割を果たしてきた経緯から,会計上の税法との整合性を保つために賃貸借処理(オフバランス)が容認されてきました。この対策が講じられるからといって、資本化(オンバランス化)が強制されるわけではないことから、経緯を見守りたいところです。
戸松信博
グローバルリンクアドバイザーズ(株)代表取締役
配信元: 達人の予想

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