決算発表ほぼ終了も、好業績銘柄を見直す流れは継続

著者:冨田康夫
投稿:2015/05/17 11:51

<株式トピックス>

15日の東京株式市場は、前日の欧米株高を受けて買い優勢のスタート。前場は伸び悩んだものの後場買い直され日経平均株価終値は、前日比162円68銭高の1万9732円92銭と大幅反発した。前日に欧州中央銀行のドラギ総裁が継続的な金融緩和に前向きな見解を示したことで、世界的な金利上昇に歯止めが掛かったことが好感された。

今週で決算発表がほぼ終了することから、来週は手掛かり材料不足のなか、売り買いともに手控え姿勢が強まりそうだ。ただ、株価面で依然評価不足となっている好業績銘柄を改めて見直す流れは継続しそうだ。

今回の決算発表は、大型連休前の前半戦に16年3月期の業績見通しを発表した主要企業のなかで、利益の伸び悩みや減益予想を公表するケースが必要以上にクローズアップされて、ガイダンスリスク(会社側の慎重な業績見通しを嫌気して株価が下落するリスク)に対する警戒感が実態以上に強まった。
ところが連休明け後の後半戦は、好業績見通し銘柄に目を向けようというムードに変化した。

市場関係者からは「前半戦は、ホンダ<7267>リコー<7752>京セラ<6971>といった主力銘柄の一角が、ガイダンスリスクの象徴とされて集中的に売りを浴びて、想定以上の急落で全体相場を下落させた。一方、大型連休明けからは、市場参加者の多くもこうした売りに対してある程度免疫ができると同時に、好業績銘柄を正当に評価しようという姿勢に変化しはじめた」との声が出ていた。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想