期待感あるが、一本調子は期待薄…?

著者:武市佳史
投稿:2015/05/08 11:00

◆下値窺うも、結局は買い戻し…

※ご注意:予想期間は5月9日と表示されていますが、本日(5月8日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


前日の流れを引き継ぎでジリジリと下値を窺ったドル円でしたが、結局は買い戻し優勢の展開となりました。

ポジション調整の動きに加えて、好内容となった新規失業保険申請件数がドル買い戻しを促したからです。
独10年債利回りの伸び悩みがユーロ売り戻しを促したことも、ドル買いを後押しした感があります。
こうして欧州タイム中盤に119円割れを窺っていたドル円は、NYタイム中盤には120円回復を窺う水準へと反発しています。
もっとも米雇用統計を翌日に控えていることもあり、そこからさらに上値を窺うような動きに発展することはありませんでした。

◆「雇用不振は一時的な現象か?」を占う、今回の米雇用統計

こうして明確な方向性が見えないまま、注目の米“4月”雇用統計を迎えることになります。
ネガティブサプライズ(+12.6万人)となった前回の雇用不振が「寒波/港湾ストによる一時的なものなのか?」、それとも「ドル高/原油安に伴う深刻な景気減速懸念なのか?」。
これを占う上で、今回の統計は非常に重要な意義を持っています。

◆ただ一本調子の変動は期待薄…?

事前予想は非農業部門雇用者数が22.5万人程度、失業率が5.4%、平均時給が+0.2%となっていますので、まずはこの水準からの上振れ・下振れが基準になってきます。
「+16.9万人に留まったADP雇用統計」VS「2000年4月以来水準を2週連続で維持した新規失業保険申請件数」で割れていますので、ファーストアクションは“ポジティブ・ネガティブのいずれにも”反応しやすいと見るのが自然です。
ただ「景気減速懸念」がテーマの一つになっていることから、労働参加率や平均労働時間、非農業部門雇用者数もパートタイム/フルタイムの別まで詳細に精査される可能性があります。
つまりそれらの結果に“一喜一憂”、場合によっては“上を下へと揺れ動く”と考えるのも、自然ということになってきます。

前回値(+12.6万人)がかなり上方修正される可能性有と考えていますので、個人的には“下値は堅く”“120円半ば付近への上昇”も期待しています。
ただ“一本調子の変動は期待薄”ということも、頭の片隅に残しておきたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:120.839(4/13高値、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:120.490(5/5高値)
上値3:120.345(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:120.041(5/6高値、大台、ピボット1stレジスタンス)
上値1:119.925(50日移動平均線、5/5~5/7の61.8%戻し)
前営業日終値:119.738
下値1:119.441(日足・一目均衡表先行スパン下限/転換線、20日移動平均線)
下値2:119.357(100日移動平均線)
下値3:119.057(5/7安値、大台)
下値4:118.753(ピボット2ndサポート)
下値5:118.504(4/30安値、4/17-20安値、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:30 ドル円 抵抗・支持ライン追加
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武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想