今年最大の下げ幅、連休明けの注目ポイントは?

著者:小野山功
投稿:2015/05/01 19:21

小野山功が見通す「今週の株価材料」~【GW前に波乱】今年最大の下げ幅、連休明けの注目ポイントは?

4月30日(木)の東京市場で日経平均株価の下げ幅は538円(2.6%)と、今年最大となりました。

前日に発表された米1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)が急減速し、先行き警戒感が広がったほか、同日開かれた日銀会合で金融政策の「現状維持」が伝わったことで、追加緩和を見込んでいた投資家の処分売りが下げ幅を拡大させました。

■“日本流の控えめな予想”が一転して売り要因に

また、企業業績への警戒感が株価を押し下げています。今週月曜の当コラムで“日本流の控えめな予想”でも売られないと、(6594)日本電産を例にご紹介しましたが、今週は一転して売りが優勢です。

30日は大手自動車メーカー(7267)ホンダの下げが目立ちました。16年3月期の営業利益の見通しは6600億円と市場コンセンサス(8500億円程度)を大きく下回り、一時7.7%安と売り込まれました。

また、5月1日には、(6702)富士通が一時ストップ安と急落。今期の営業利益が16%減の1,500億円になりそうだと発表したことで失望売りを浴びました。

期待が高すぎたといえばそれまでですが、先週までと何が異なるのでしょうか?

■決算発表前半のピークで見えてきた「業績の伸び悩み」

日本経済新聞社の集計によると、4月30日までに決算を発表した239社の16年3月期の経常利益予想は、前期比7%増の見通しになったとのことです。

15年3月期の経常利益は前期比15%増だったため、今期は業績が伸び悩むとの見通しが嫌気されています。

先週までは決算発表の社数が多くなかったため、まだ余裕があったものの、前半のピークとなった30日を過ぎ、想定よりも業績が伸びないかもしれないと、投資家の心理が懐疑的な見方に傾いています。

「それだったら決算が発表されていない銘柄も連休前に売却しておこう!」という動きになったものと考えられます。

■トヨタと三菱重工の決算で流れが変わるか?

ゴールデンウィーク明けの8日(金)には、時価総額首位(7203)トヨタ自動車が決算を発表します。トヨタが増配や自社株買いなど、株主還元強化の方針を打ち出すかに関心が集まります。

また、同じ日に(7011)三菱重工業が、本決算と合わせて中期経営計画を発表する予定です。8日の取引時間中に発表が予定されているため、相場の流れが変わる可能性がありそうです。


小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想