【買い】住友化学(4005):原油安の恩恵を享受=戸松信博

著者:戸松信博
投稿:2015/05/01 02:28

原油安の恩恵を享受

住友系の総合化学企業です。同社の注目ポイントは主力の化学部門が原油安の恩恵を享受できている点です。

液晶ディスプレイ材料やタッチセンサーパネルの販売価格が下落したことによって情報電子化学事業が、薬価改定や後発品の影響により医薬品がそれぞれ軟調な利益推移となっていますが、主力の化学関連事業が原油価格が低迷していることによって、原料コストが低下し、利益が回復しておりカバーできています。

2015年3月期第1-3四半期の業績は売上が7.3%増の1兆7230億円、営業利益が0.3%増の713億6000万円、経常利益が35.9%増の986億8700万円、純利益が92.3%増の472億1800万円。持分法による投資利益が大きく出ていることから経常利益以下の業績が大きくなっています。

原油価格が下落したのは2014年10-12月からであり、今後、原油価格下落の恩恵をフルに享受し、堅調な業績が期待できるのではないかと思います。実際に原油安で石油化学製品の採算が改善し、メチオニン(飼料添加物)も市況回復や出荷増で計画を上回りました。石油化学関連の合理化費用を特別損失として計上しましたが、大幅増益を確保することができました。

4月23日に通期予想の上方修正が発表されました。
上方修正後の通期予想は、売上が5.6%増の2兆3200億円、営業利益が25.9%増の1270億円、経常利益が41.3%増の1570億円、純利益が37.9%増の510億円となっています。
通期予想の条件を当初1ドル104円としていたため、円安により為替差益も拡大しました。
戸松信博
グローバルリンクアドバイザーズ(株)代表取締役
配信元: 達人の予想

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