重要イベント目前に手控え、マザーズに3社新規上場

著者:冨田康夫
投稿:2015/04/27 19:41

明日の東京株式市場見通し

 28日の東京株式市場は、複数の重要イベントを目前にしていることから、買い手控え姿勢が強まりそうだ。「昭和の日」の祝日を前に利益確定売りも想定され、日経平均株価は続落を予想する。28日の日米首脳会談、29日までのFOMC、29日の米1~3月期のGDP速報値、30日の日銀金融政策決定会合と重要日程が目白押しで、これらの内容を見極めたいとのスタンスから、模様眺めムードが強まりそうだ。

 27日の東京株式市場は利益確定売りに押され、日経平均株価終値は前週末比36円72銭安の1万9983円32銭と続落し、2万円を割り込んだ。東証1部の売買代金は、主力株が買い手控えられ、2兆846億円と4月14日以来の低水準となった。

 日程面では、IoTビッグデータをベースとした、インターネットシステムの自動マネジメントサービスを手掛けるジグゾー<3914>、街コンイベントの企画および開催並びに街コンポータルサイト「街コンジャパン」を運営するリンクバル<6046>、情報キュレーションアプリ「Gunosy(グノシー)」を運営するGunosy<6047>の3社が東証マザーズ市場に新規上場する。

このほか、日米首脳会談、3月の商業動態統計に注目。

27日の動意株

 大豊工業<6470>=後場急伸。
同社はきょう午後2時に、16年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しは71億5000万円(前期比52.9%増)としているほか、年間配当は36円(前期は33円)と3円増配する方針を示している。売上高は1100億円(同12.0%増)を予想。今期の為替レートは1ドル=115円(前期は110円)、1ユーロ=135円(同138円)を前提としている。

 ホットマン<3190>=後場に強調展開。
午後1時ごろに、新規事業として「カーセブン事業」(自動車の小売りと買い取り)を5月から開始すると発表しており、これにより業容拡大に期待した買いが入っている。同社では、今年4月26日まで運営していた「ガリバー事業」(3店舗)に代わる事業を模索していたが、今回、カーセブンディベロプメント(東京都中央区)とフランチャイズ契約を締結して、自動車の小売りと買取店舗「カーセブン」を展開することになったという。なお、店舗の開店日は5月中旬を予定しているという。

 佐田建設<1826>=後場一段高。
午後2時に集計中の15年3月期連結業績について、売上高を従来予想の321億円から324億2700万円(前の期比1.3%減)へ、営業利益を同9億円から12億9200万円(同63.1%増)へ、純利益を同7億8000万円から12億9800万円(同82.6%増)へ上方修正したことを好感した買いが入った。比較的高利益な工事の完成や工事採算性の向上などで完成工事総利益が改善したことが要因。また、繰延税金資産の計上で純利益の修正幅が大きくなったとしている。

 富士通ゼネラル<6755>=急伸。
同社は24日の取引終了後、16年3月期の業績予想を発表。連結売上高3000億円(前期比9.2%増)、営業利益230億円(同15.3%減)を見込んでいる。15年3月期決算は売上高2748億700万円(前の期比13.8%増)、営業利益271億4000万円(同31.1%増)を計上。前期大幅増益の反動やドル高・円安、生産地国(中国、タイ)の人件費上昇による空調機の輸入コスト増などが利益を圧迫する見込みながら、空調機部門では、北米における商品ラインアップを拡充し、業務用市場の開拓などに取り組む方針で、業績拡大基調への評価が継続しているようだ。

 日鉄鉱業<1515>=急反発。
同社は24日の取引終了後、15年3月期の連結業績予想の増額修正を発表したことが好感された。売上高は1100億円から1250億円(前の期比9.3%増)へ見直したほか、営業利益は75億円から100億円(同5.1%増)、最終利益は40億円から57億円(同46.0%増)へ修正した。石灰石および銅精鉱の販売量が増加したほか、円安進行による為替差益が利益を押し上げた。

 アエリア<3758>=ストップ高。
同社は24日の取引終了後、ソーシャルゲームの開発・運営やコンシューマーゲームの開発を行うリベル・エンタテインメント(東京都千代田区)を株式交換により完全子会社化すると発表しており、業容拡大につながるとの期待から買いが集中した。今回完全子会社化するリベルは、ソーシャルゲームとコンシューマーゲームの受託開発を行うゲーム開発会社。主な実績として、スクウェア・エニックスで配信中のスマートフォン向けタイトル「乖離性ミリオンアーサー」の開発を手掛けており、同タイトルはサービス開始2カ月で900万ダウンロードを達成する人気タイトルとなっているほか、初の自社タイトルで恋愛リズムアドベンチャーの「アイ★チュウ」を6月に配信する予定となっている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想