決算発表を前に一服、利益確定の売り先行

著者:冨田康夫
投稿:2015/04/23 19:48

明日の東京株式市場見通し

 24日の東京株式市場は、きょうまでの3日続伸で日経平均株価が553円と大幅な上昇となっていることに加え、利益確定売りや週末特有のポジション調整の動きも想定されることから、全体相場は4日ぶりに一服となりそうだ。

 23日の東京株式市場は前日の米株式相場の反発や、外国為替市場の円安を好感して買い優勢。日経平均株価終値は、前日比53円75銭高の2万187円65銭と3日続伸。東証1部の売買代金は2兆9198億円と3兆円近くまで膨らんだ。

 財務省が発表した4月12~18日の対外及び対内証券売買契約等の対内株式投資は5952億円の買い越しとなり、外国人買いの増加が好感された。

 ただ、市場関係者からは「来週から佳境に入る決算発表を前に、安全策として利益を確定する動きが顕在化しそうだ」との見方が出ていた。

23日の動意株

 サイオステクノロジー<3744>=一時ストップ高。
同社はきょう、クラウドシステム構築分野で富士通エフサス(川崎市)と協業すると発表。今後の事業展開などが期待されているようだ。この協業で両社は、サイオスのHAクラスターソフトウェア「LifeKeeper」を活用した同一クラウドのリージョン間での冗長化を実現するとともに、業界初となる異種クラウド間の冗長化技術の開発に取り組む。

 ジェーシー・コムサ<2876>=後場ストップ高。
同社はきょう正午すぎに、パンの製造・販売などを手掛けるイーストボルトジャパン(埼玉県北足立郡)と合弁会社を設立すると発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。合弁会社の事業内容は、小麦関連加工食品の製造販売。資本金は5億円程度になる予定で、出資比率はJCコムサが51%、イーストボルトジャパンが49%となる。

 Aiming<3911>=後場一段高。
前日から、マーベラス<7844>との共同事業として提供中のスマートフォン向け本格オンラインRPG「剣と魔法のログレス いにしえの女神」のJR山手線の車体広告が始まっており、広告効果に期待した買いが入っているようだ。期間は4月22日から5月9日までで、車体側面やヘッドマークにログレスのデザインを施した車両がJR山手線を走っている。

 イソライト工業<5358>=急騰。
同社は22日の取引終了後、15年3月期連結業績予想の増額修正を発表したことが好感されている。売上高は129億円から139億円(前の期比6.4%増)へ見直したほか、営業利益は8億6000万円から9億6000万円(同16.1%増)、最終利益は4億6000万円から5億7000万円(同61.5%増)へ上方修正した。 設備投資需要の回復で断熱材事業が好調に推移したほか、円安進行に伴い為替差益が発生したことも利益を押し上げた。

 扶桑電通<7505>=一時ストップ高。
同社は22日の取引終了後、15年9月期の第2四半期単体業績予想の修正を発表。売上高を従来予想の260億円から276億7000万円(前年同期比0.8%増)へ、営業利益を10億円から16億8000万円(同7.1%増)へ、純利益を6億3000万円から9億2000万円(同15.4%減)へ上方修正、これを好感している。自動車販売店向けシステム更新商談が伸長したことや、下期売上予定物件の前倒し計上などが貢献している。

 アストマックス<7162>=大幅高。
同社は22日取引終了後に、これまで非開示としていた15年3月期通期の連結業績予想を発表。最終損益は5億1200万円の黒字(前の期実績は1億1500万円の赤字)に浮上する見通しとしており、これが好感されているようだ。営業収益は44億100万円(前の期比68.0%増)、営業損益は5億8000万円の黒字(前の期実績は7000万円の赤字)を見込んでいる。セグメント別では、再生可能エネルギー関連事業の収益が24億6900万円(同2.3倍)と大きく成長している。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想