15年前、ITバブル崩壊のきっかけは日経平均30銘柄の入れ替え

著者:冨田康夫
投稿:2015/04/22 22:24

2000年4月17日の暴落

22日の東京株式市場は、日銀による追加的金融緩和への思惑が広がったことに加え、3月の貿易収支が2年9カ月ぶりに黒字転換したものの、円高が限定的だったこともプラスに作用。あす以降決算発表が本格化する企業の業績改善期待などを手掛かりに、銀行、証券、保険など金融株を中心に不動産、建設などの主力銘柄に買いが集まった。日経平均株価終値は、前日比224円81銭高の2万133円90銭と大幅続伸し、終値では2000年4月14日以来15年ぶりに2万円台を回復した。

この2000年4月14日は、“ITバブル崩壊”の直前にあたる。ITバブル時ピークの株価は、2日前の同年4月12日の2万833円(終値)。
そして、2000年4月17日は、日経平均株価にとって忘れられない日となった。日本経済新聞社は、土曜、日曜を挟んでの前営業日4月15日の大引け後に、30銘柄の入れ替えを発表した。これを受けて、翌営業日の4月17日には前週末比1426円安の暴落を記録。この日を境に、日経平均は急坂を転げ落ちるように下落し、1カ月あまり後の5月26日には、1万5876円まで下落した。

銘柄入れ替え発表後に、日経平均から除外される30銘柄が大規模に売られ、逆に日経平均に組み入れ予定の30銘柄が大規模に買われた。実際の入れ替え日の24日の1週間前に発表したため、当然のことながら、その時点で指数に採用されていて将来除外される30銘柄の株価が急落して、それが指数に反映された。逆に採用予定の30銘柄は急騰したものの、それは指数に反映されないという事態が起きて、全体相場が急落に叩き込まれたわけだ。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想