買い手控えで反落、中国1~3月期GDP注視

著者:冨田康夫
投稿:2015/04/14 22:57

明日の東京株式市場見通し

 15日の東京株式市場は、手掛かり材料に乏しい地合いのなか、買い手控えの姿勢が強まり、日経平均株価は反落となりそうだ。

 前場取引時間中に、1~3月期GDPなど中国関連の重要経済指標発表が予定され、これに関心が集まる。市場関係者のあいだでは「製造業を中心とした第2次産業が弱いことから景気は全体として鈍化しており、成長率が7%割れとなる可能性もある」との見方も出ており、マイナス材料となる懸念もある。

 14日の東京株式市場は朝方安く始まった後、前日終値近辺でのもみ合いに終始した。日経平均株価終値は、前日比3円22銭高の1万9908円68銭と3日ぶりに小幅反発した。主力株が見送られたことで東証1部の売買代金は、2兆111億円と2兆円割れ寸前まで減少した。

ただ、中小型株物色の人気は根強く、東証1部の値上がり銘柄数は1279(値下がり銘柄数475、変わらず126)に達した。

14日の動意株

 大林道路<1896>=後場急伸。
正午に15年3月期の利益予想の増額修正と増配を発表したことを受け、買い人気が膨らんだ。売上高は1110億円から1108億円(前の期比 1.5%増)へ見直したが、営業利益は65億円から84億円(同22.9%増)、最終利益は42億円から52億円(同31.4%増)へ上方修正した。期中の工事受注が増加したほか、工事が順調に進行した。また、不採算工事が減少したほか業務の効率化が利益増に寄与した。

 フマキラー<4998>=後場一段高。
気温の上昇とともに蚊の季節が意識され、シーズンストックとしての切り口で買いが入りやすい。また、昨年8月には国内でデング熱の感染者が出たことを材料に急騰相場を演じたが、その時の連想も働いている。商いも増勢基調、出来高は午後0時50分現在で10万株を超え、前日1日分の3倍以上に膨らんでおり注目筋の増加を裏付けている。

 日本管理センター<3276>=急動意。
市場関係者によると「ここ中小型の不動産関連株に投機資金が食指を動かしており、その流れのなかで足もと業績好調な同社株がターゲットとなった」(国内ネット証券大手)という。賃貸住宅を一括して借り上げて一般入居者にサブリースするビジネスモデルで、今年の税制改正に伴う相続税対策に伴う特需が追い風になっている。ROEは30%を超えており、高ROEは不動産の中小型株の共通項ともなっているが、同社の場合は15年12月期営業利益が前期比28.3%増の17億300万円予想と好調で、年間24円配当や40%を超える自己資本比率が買い安心感をもたらしている。

 松屋<8237>=大幅高。
13日取引終了後、16年2月期の連結業績予想を発表した。売上高は850億円(前期比4.1%増)、営業利益は23億円(同5.5%増)、最終利益は14億円(同7.3%増)を見込んでおり、営業利益は前期の43%の大幅増益に続き成長する見通しで、これを評価する買いが先行している。同社は銀座、浅草の2店舗体制をとるが、主力の銀座店は昨年4月の食品フロア改装効果で集客力が拡大しており、品ぞろえの強化で訪日客を含めた需要取り込みを一段と推進する。

 レデイ薬局<3027>=ストップ高。
13日の取引終了後、ツルハホールディングス<3391>フジ<8278>がレデイ薬局に対して共同でTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表しており、この日はTOB価格へサヤ寄せする動きとなっている。

 インターアクション<7725>=急伸。
13日の13日取引終了後、15年5月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を従来予想の35億4400万円から39億8700万円(前期比58.7%増)へ、営業利益を3億1700万円から4億4600万円(同6.5%増)へ、最終利益を2億6700万円から3億9200万円(同22.8%増)へ上方修正、これを好感している。光学精密検査機器関連事業でCCDおよびC―MOSイメージャー検査装置に使用される瞳モジュールの販売などが増加。これに加えて第4四半期に環境関連事業で大型の排ガス処理装置の販売を見込んでいることも寄与する。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想