安定成長の魅力にNISAの買い

著者:冨田康夫
投稿:2015/03/09 18:43

長期連続増配予想銘柄へ焦点

政府は少額投資非課税制度(NISA)の投資可能枠を2016年に年間100万円から120万円へ拡充する。さらには、子ども版NISAも創設。ただ、引き出しは18歳まで制限されるため、長期投資のスタンスが基本となる。

 NISAの個別銘柄の投資対象としては、中長期での安定成長が条件。その一例として「長期連続増配銘柄」がある。背景には、源泉となる安定的な利益成長や、株主還元への積極的な企業姿勢があり、株価上昇も期待できる。

 今期で26期連続増配が見込まれるのが花王<4452>だ。15年12月期営業利益は1500億円(前期比12.6%増)の見込み。新製品投入で販売数量が増加するほか、石化原料価格の下落による利益率の改善も寄与する。

 トランコム<9058>の4~12月期連結経常利益は40億3400万円(前年同期比7.8%増)となり、通期計画51億7000万円に対する進捗率は78.0%に達した。 ロジスティクスマネジメント事業では昨年4月に稼働した大型案件が寄与したほか、物流情報サービス事業では専属車両の増加などが奏功した。科研製薬<4521>は、昨年9月に13年ぶりの新薬となる爪白癬治療剤クレナフィン(一般名エフィナコナゾール)を発売したが、会社想定を大きく上回る好調推移。サンドラッグ<9989>は、訪日外国人客のインバウンド需要拡大で恩恵。日用品のまとめ買いがドラッグストアの収益向上に貢献している。

◆主な長期連続増配予想銘柄

銘柄<コード>   連続年数  予想配当額  配当利回り    株価   PER
花王<4452>      26    76    1.41   5563   31.0
小林製薬<4967>    16    87    1.02   8750   27.9
リコーリース<8566>  15    45    1.32   3445   10.6
トランコム<9058>   14    66    1.38   4970   15.5
科研薬<4521>     13    54    1.45   3545   28.9
サンドラッグ<9989>  13    60    0.99   6140   22.0

※株価は9日終値(単位:年、円、%、倍)
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想