【官製相場は続く】GPIFだけじゃない年金マネー。買い需要は「5兆円」規模!? - 小野山功が見通す「今週の株価材料」

著者:小野山功
投稿:2015/03/02 16:05

小野山功が見通す「今週の株価材料」~【官製相場は続く】GPIFだけじゃない年金マネー。買い需要は「5兆円」規模!?~

2月26日(木)の日経平均株価は、前日比ほぼ変わらずで寄り付いた後、じりじりと上げ幅し、終値は200円高の18,785円と連日で高値更新となりました。

米国株が下がっても日本株は下がらず、相場格言通り「押し目待ちに押し目なし」といった様相ですが、日本株は強い背景には「官製相場」による下値不安の低さがあります。


■GPIFだけじゃない、共済年金で「5兆円」の買い需要が?

25日に、国家公務員の年金を運用する国家公務員共済組合連合会(KKR)が、ポートフォリオに占める国内株式の比率を、従来の現行の8%⇒25%に引き上げると発表しました。

およそ130兆円の年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、昨年10月に国内株運用比率を25%(上下の変動幅は9%)に引き上げており、GPIFの見直しに合わせた形です。

約7.6兆円を運用する国家公務員共済組合連合会(KKR)や、地方公務員共済組合連合会(運用資産18.9兆円)、日本私立学校振興・共済事業団(同3.8兆円)は今年10月にGPIFと統合することが予定されています。

そのため、まだ運用比率見直しを発表していない2共済も、それぞれ国内株式の比率を引き上げるとみられ、3共済で合わせるとおよそ5兆円の買い需要が発生するとの試算もあります。


■年金マネーの買い増し余力はまだある!「官製相場」は秋まで続く?

また、年金だけではなく、日銀が年3兆円規模の株価指数連動型上場投信(ETF)の買い入れを表明しており、政府・日銀連合による株式の買い支え期待があることから、押し目なく日経平均の上昇がみられています。

27日に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が昨年10-12月期の運用実績を開示しました。

同期の収益は6兆6,233億円と、比較可能な08年以降で2番目に大きい収益の計上となりました。

国内株式の保有比率は、昨年の9月末時点の17.8%⇒19.8%に2%上昇しましたが、目安目標の25%には届いておらず、買い増し余力がある状況です。

今年の秋には、日本郵政グループの上場が予定されており、政府としても上場を成功させるためにも株価を上げたいという狙いがあることでしょう。

日本郵政グループは、1987年のNTT以来の大型上場になります。今秋の日本郵政上場までは政府・日銀による「官製相場」は続きそうです。

小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想