参加者限定で買い手控え、日柄調整の場面も想定

著者:冨田康夫
投稿:2014/12/22 19:00

明日の東京株式市場見通し

 24日の東京株式市場は、天皇誕生日の休日を挟むことに加え、25日に欧米、アジアの主要株式市場が、クリスマス休暇で休場となることもあり、市場参加者が限定的となり、薄商いのなか買い手控えムードが広がりそうだ。積極的に売る材料は見当たらないものの、きょうまでの4日続伸による反動から利益確定売りに押される展開が予想される。ただ、1日の変動幅は小幅にとどまりそうだ。

 市場関係者からは「きょうは、海外投資家が休暇入りしたことで、東証1部の売買代金は2兆592億円と、11月10日以来の低水準。半面、日経平均株価が先週末に上回った25日移動平均線(1万7419円=22日)を維持して引けるなど、先高期待を感じさせる面もあった。ただ、先週後半からの戻りが急だっただけに、日柄調整の場面も想定したい」との声が出ていた。

22日の動意株

 元気寿司<9828>=大幅高で9連騰。
売り物薄のなか継続的な実需買いが流入しているため、必然的に上値を追う格好となっているが、全体地合いとは離れた独歩高の様相で、個人投資家など短期資金の追随買いが上げ足を速めているようだ。東日本を中心に回転ずしを展開、カッパ・クリエイトホールディングス<7421>との経営統合白紙による業績面への影響は軽微、逆に同社独自の経営戦略に対する期待が株価にプラスに作用している。

 ブロッコリー<2706>=大幅続伸。
主力コンテンツ「うた☆プリアイランド」の配信を今月下旬から再開、これが短期筋の買い安心感を誘っているほか、15年2月期業績は営業利益段階で会社側が計画する16~20億円に対し、34億円前後まで上振れ余地があるとの見方を証券系調査機関が示しており、買い方の拠りどころとなっている。

 堺化学工業<4078>=後場急動意。
9月16日につけた年初来高値384円を更新した。午後2時ごろに自社株買いを発表しており、これを好感した買いが入った。250万株(発行済み株式数の2.52%)、10億円を上限としており、取得期間は来年1月5日から4月3日まで。

 ミツウロコグループホールディングス<8131>=大幅高。
19日に、プレミアムバーガー専門店「カールスジュニア」レストランの店舗運営およびフランチャイズ事業展開の国内独占権を取得したと発表。19日の株価の反応は鈍かったものの、20日付の日本経済新聞などで報じられたことで改めて材料視されているようだ。同社はエネルギー供給事業を主力事業とする一方、グループにおいて飲食店舗展開事業や飲食店テナント管理事業を展開。このほど「カールスジュニア」レストランを世界的にフランシャイズ展開している米CJR社との契約を結び、来年10月上旬の事業開始を予定している。

 シロキ工業<7243>=一時ストップ(80円)高の333円まで買い進まれるなど急伸。
1月16日につけた年初来高値266円を約11カ月ぶりに更新している。19日引け後、アイシン精機<7259>と株式交換による経営統合で基本合意したと発表した。アイシン精機を完全親会社、シロキを完全子会社とし、株式交換の効力発生日は16年4月1日の予定。交換比率は未定。シロキは16年3月29日に上場廃止となる見込み。

 象印マホービン<7965>=急反発。
同社は25日に11月決算の発表を予定しており、これに対する期待が高まっている。台湾や中国でIH炊飯ジャーが人気を集めており、集計中の前14年11月期は通期連結営業利益で55億円(前の期比3.0倍)と大幅な増益を見込んでいる。和食ブームなどを背景に炊飯ジャーの海外向け拡大が続きそうで、今期の業績予想も好内容が期待される。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想