建機の自動運転、ICT活用で人手不足も怖くない

著者:冨田康夫
投稿:2014/12/02 16:11

関連銘柄に注目

 建設機械業界では人が運転するのではなく、ICT(情報通信技術)を駆使して機械が運転する自動運転化技術が注目されている。

 「コマツ、自動運転の油圧ショベル日米欧に投入」という記事が10月下旬に日本経済新聞に大きく掲載されたのをご記憶の方もいるのではないだろうか。コマツ<6301>が注力するのは、自動で整地や掘削作業ができる油圧ショベルだ。GPSやセンサー技術などを活用して、地面を掘る作業の制御を機械が受け持つというもので、世界に向け本格投入する。

 自動化技術そのものは既に開発が進んでおり、同社は2013年に日米欧で自動ブルドーザーを投入している。ただ、ショベルの領域になると操作は難しくなる。

 そこでGPSや建機に取り付けたセンサーなどで構成される自動運転装置の役割がより重要となる。従来の自動化ユニットを後付けするようなレベルものではなく、自動運転の制御に必要なコンポーネント一式を最初から搭載している製品が今後は主流となっていく。

 国内の建設現場は構造的な人手不足が深刻化しているが、それが呼び水となって自動運転装置の普及が加速する可能性が高まってきた。20年の東京五輪や27年開業を目指すリニア中央新幹線着工も絡んで、建設・土木関連工事は一段と活発化することが必至である。また、建設分野だけでなく後継者不足に悩む農業分野でも自動化技術は待ち望まれており、関連銘柄は要マークだ。

◆建機(農機)自動化で注目の5銘柄

コマツ<6301>     自動油圧ショベルは欧州で先行販売、日本ではレンタルで導入
井関農<6310>     ICT対応スマート田植機を開発、富士通とクラウドサービスも提供
クボタ<6326>     無人走行トラクタ開発を推進、スマホを通じて農作業管理も
トプコン<7732>    自動運転化分野に経営資源集中、欧米向け高実績で国内展開も
マミヤオーピー<7991> GPSによる自動走行技術を開発、芝刈り機など来期発売目指す
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想