外国人手控えで続落、中小型の材料株は活況

著者:冨田康夫
投稿:2014/11/26 20:15

27日の東京株式市場見通し

 27日の東京株式市場は、高値警戒感が継続するなかで、買い手控え姿勢が強まりそうだ。市場関係者は「今月中旬までは、外国人投資家の買い越し姿勢が目立っていたが、先週後半から買い意欲がやや低下してきている」と指摘しており、これが日経平均株価1万7500円を前にしての足踏み状態を招いているようだ。米感謝祭に伴う休場もあるため、外国人の見送りムードはさらに強まりそうだ。

 一方、東証1部の値上がり率上位を見ると、自動車軽量化などで需要拡大の予想されるアルミ関連銘柄をはじめ、中小型の低位材料株が数多く名を連ねるなど、個人投資家好みの銘柄を物色する動きが活発化している。

 26日の東京株式市場は、日経平均株価が小幅ながら反落。終値は前日比24円安の1万7383円となった。前日の米国株式市場で、NYダウ平均株価が4日ぶりに小幅安で着地したほか、外国為替市場では1ドル=117円台後半の推移と円安進行が一服したことを受け、利益確定売りが先行した。

26日の動意株

 関東電化工業<4047>=急伸。
半導体デバイスメーカーの稼働率上昇や微細化進展による製造工程数の増加を背景に特殊ガスが好調。15年3月通期の連結営業利益は23億円から28億円(前期比84.3%増)に増額修正するなど、業績は好調だ。また、株価急伸とともに信用面での取り組み妙味が増している。日証金ベースでは25日現在の貸借倍率が0.14倍の水準にある。

 JEUGIA<9826>=連日のストップ高。
特に目立った材料はないものの、東証1部市場の大型株が材料難から冴えない展開となる中、値動きの軽さに注目した買いが東証2部に向かっており、東証2部にあって前週末終値が126円と低位に放置されていた同社にも短期回転狙いの資金が流入したようだ。

 神戸物産<3038>=大幅高で5日続伸。
18日取引終了後に発表した10月の月次売上高では、「業務スーパー」店舗への出荷実績で、既存店は前年同月比5.2%増と好調を持続していることから、これを引き続き評価する動きとなっている。消費増税後は多くの小売店が苦戦となっているが、国内外からさまざまな食品を調達、値ごろ感ある価格で販売していることが消費者から高く支持されている。

 フィンテック グローバル<8789>=ストップ高。
投資銀行業務と企業投資を主力とする金融会社で、再生可能エネルギーなどのアレンジメントや投資先ベンチャーキャピタルファンドの投資回収の拡大で、前期の黒字転換に続き、今15年9月期は連結売上高79億円(前期比2.1倍)、営業利益12億5000万円(同2.3倍)を予想。期末一括配当は60銭(前期50銭)へ増配を予定している。業績急拡大に伴い、PERも16倍台と割高感のない水準になり、ファンダメンタルズの急好転が改めて評価されている。

 ソフトウェア・サービス<3733>=急反発。
25日の取引終了後、集計中の14年10月期単独業績について、売上高を従来予想の134億円から138億8000万円(前の期比37.0%増)へ、営業利益を同23億5000万円から31億2800万円(同33.8%増)へ、純利益を同14億8800万円から20億800万円(同35.5%増)へ上方修正したことが好感されている。消費増税前の駆け込み需要がみられたことや、計画していた案件の稼働がほぼ順調に推移したことなどが要因としている。

 ネポン<7985>=一時ストップ高で4日続伸。
同社は25日の取引終了後、タイに現地法人を設立することを発表、これを好感する動き。熱機器事業の生産の一部をタイに移管し、販売拠点となる現地法人を設立、国内および東南アジア諸国での施設園芸向け市場を強化していく方針。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想