自民党が“議席数を減らしながらも大勝利”か

著者:冨田康夫
投稿:2014/11/22 19:10

“勝利”ラインは270議席か

昨日21日金曜日の午後1時過ぎに衆議院が解散され、12月2日公示、同14日投開票の日程が正式に決まった。

ところで、株式市場関係者からは「今回の衆院選ほど、結果がその後の株式市場に与える影響が読みにくいケースはないのでは」との見方が出ている。 とにかく、解散時の議席数は自民党295、公明党31の合計326と与党が圧倒的な多数を有している。したがって、総選挙に打って出ても“勝ち過ぎた”前回以上の議席を獲得することは困難と見るのが常識的だが、安倍首相自身は内心“自民党の議席上乗せを狙っている‘’のとの見方も出ている。 それだけ、野党のだらしなさが目立っている。

前回の選挙で躍進したみんなの党は解党、生活の党も実質解党状態。民主党は全国で295議席ある小選挙区のうち、なんとか候補者が決まっているのは130カ所程度で、今後他党からの合流組などで急ごしらえの候補を立てようとしている。維新の党も、橋下徹大阪市長の勢いは低下気味といえる。
今回から、衆院定数は5議席減少して475議席となるため、単純な過半数は238議席、各委員会で委員長を独占し、なおかつ過半数を獲得できる「絶対安定多数」の266議席超の「270程度」の獲得を与党(自民プラス公明)の“勝利”ラインとするならば、勝利の可能性はかなり高いといえる。

ところが、公明党が解散時と同じ議席を獲得したと仮定すると、与党で270議席では自民党単独で239議席となり、解散時に比べて50議席以上も減少することになってしまう。 この場合、株式市場はどのように反応したら良いのか非常に複雑だ。「自民党が解散時の議席数を減らしながらも大勝利」という訳の分からない結果になる可能性がありそうだ。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想