拡大する動画広告、高速無線通信の普及が追い風

著者:冨田康夫
投稿:2014/11/11 18:38

インターネット広告の存在感が高まる

 高速無線通信の普及を背景に、インターネットを利用した動画広告の市場規模が急速に拡大している。

 この数年、新聞や雑誌などの紙媒体の読者が減少、また若年層を中心にテレビ離れが指摘されるなかで、インターネット広告の存在感が高まっている。そのなかで、動画広告については、Wi-FiやLTEなどの無線高速回線が定着、スマートフォンの高性能化が進展してきたことで、外出先などでも気軽に動画が再生できる環境が整ったことが大きい。2012年後半から13年ごろより、グローバル展開を行う外資系大手コンシューマープロダクトメーカーを皮切りに、自動車メーカーや国内大手化粧品・トイレタリーメーカー、携帯電話などデジタル家電メーカーを中心に動画広告への出稿を増やしており、サイバーエージェント<4751>とシード・プランニングによる共同調査では、14年の市場規模311億円から17年には880億円に拡大するとの試算を打ち出している。

 動画広告の市場規模が拡大するなかで、ヤフー<4689>傘下でアフィリエイト(成果報酬型)ネット広告大手のバリューコマース<2491>や動画広告配信プラットフォームを構築しているGMOアドパートナーズ<4784>のビジネスチャンスが拡大しそうだ。また、スマホ向けゲーム大手のグリー<3632>は、傘下のグロッサムを通じて、スマートフォン向け動画広告事業に参入することを発表している。

◆動画広告の関連銘柄

 銘柄<コード>      コメント

Vコマース<2491>   ヤフー傘下でネット広告大手
グリー<3632>     スマホ向け動画広告に子会社通じて参入
アクセルM<3624>   ウェブページとアプリの両方へ配信可能な動画広告に参入
GMO-AP<4784>  動画広告配信プラットフォームを構築
アサツーDK<9747>  スマホ向け動画広告配信サービス「モバイル・ダダ」を展開
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想