過熱感強まり上げ一服、健全な調整望む声も

6日の東京株式市場見通し

　６日の東京株式市場は、きょうまでの日経平均株価５日続伸の後を受けて、過熱感の強まりから上げ一服の展開となりそうだ。

　日経平均株価はきょうまで５日間の続伸で、合計１６０７円の急騰をみせている。特に、２５日移動平均線（１万５５４５円＝５日）とのカイ離率はプラス８．９５％と拡大し、過熱感が高まっている。引き続き利益確定の売りが出やすい地合いとなっている。

　市場関係者からは「急反落を回避するためにも、そろそろ適度な調整場面が欲しいところ」といった健全な一服を望む声も上がりはじめている。

　５日の東京株式市場は、前場段階で利益確定の売りに押される展開となったものの、後場後半には１ドル＝１１４円台前半まで円安が急速に進行したことが追い風となり、日経平均は大引けにかけてじり高歩調となり、終値は前日比７４円高の１万６９３７円と５日続伸した。

5日の動意株

　日産化学工業＜4021＞＝後場大幅高。
午後１時ごろに自社株買いを発表しており、これを好感した買いが入った。３３０万株（発行済み株式数の２．０６％）、６０億円を上限としており、取得期間は１１月６日から来年１月３０日まで。また同時に、１５年３月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の１７００億円から１７１０億円（前期比４．５％増）へ、営業利益を同２３５億円から２４１億円（同８．３％増）へ上方修正したことも好材料視された。

　古野電気＜6814＞＝続急伸。
同社は船舶用電子機器のトップメーカー。１５年２月期通期の連結営業利益は従来予想の２５億円から２２億円に下方修正したものの、それでも前期比４７．４％増の大幅増益であり、イレギュラーに売り込まれたと判断ｓ大口資金が買い向かう展開となった。プレジャーボート向けが北米や欧州で低調ながら、漁船向け魚群探知機が世界的に好調でそれを補う状況にある。ＰＢＲ０．８倍と解散価値を２割下回る水準にあることも追随買いを誘っている。

　ＦＦＲＩ＜3692＞＝急反騰。
同社は９月末に上場した直近ＩＰＯ銘柄で、サイバーセキュリティー対策の重要性が高まるなか、同社の独自技術を使ったネット上でのセキュリティー商品に注目が集まり、オンリーワン企業として人気化。１０月中旬には１万３０００円台まで買われる経緯となった。その後は反動から調整を余儀なくされたものの、折りに触れ値動きの速さに着目したリバウンド狙いの買いが流入する。

　日特建設＜1929＞＝反発。
同社は４日取引終了後１５年３月期第２四半期累計（１４年４～９月期）の連結業績予想の修正を発表、売上高は従来予想の２２２億円から２３９億円（前年同期比１８．２％増）、営業損益は８０００万円の赤字から８億円の黒字（前年同期は１億６４００万円の赤字）に上方修正しており、これを好感するかたちで物色資金が流入している。同社が強みとする基礎工事の上期受注と手持ち工事の施工消化が当初計画を上回った。

　アクセルマーク＜3624＞＝ストップ高。
同社は４日取引終了後に、１４年９月期通期の連結決算を発表。営業利益は５５００万円（前の期比１９．２％減）と、従来予想の４２００万円を上回ったことが買い手掛かりとなっているようだ。売上高も３３億９１００万円（同３．７％減）と、従来予想の３３億７４００万円から上振れで着地。モバイル事業でリリース後の既存タイトルの運営効率化や原価低減に注力したことなどが功を奏した。

　国際計測器＜7722＞＝大幅反発。
同社は４日取引終了後に今１５年３月期第２四半期累計（４～９月）業績予想を修正。連結売上高で従来予想の７０億円から７７億７３００万円（前年同期比５２．７％増）へ、営業利益で１１億円から１７億８３００万円（同３．１倍）へ上方修正、これを好感している。中国の中堅タイヤメーカーへの生産ライン用タイヤ関連試験機の納入が堅調に推移、円安やタイヤ関連試験機の原価率改善も利益を押し上げている。