デジカメ、自分撮りに商機、ＳＮＳユーザー取り込みへ

「自分撮り特化」で需要奪還

　デジタルカメラメーカーが、「自分撮り」機能で商機を見出そうとしている。ターゲットは、ＳＮＳやブログに画像を頻繁に投稿するユーザー。操作性や画質などで差別化を図り、スマートフォンに奪われた需要を取り戻そうと懸命だ。

　新たなカテゴリを築くきっかけとなったのは、カシオ計算機＜6952＞が２０１１年に発売したコンパクトデジカメ「ＥＸ－ＴＲ１００」。液晶とフレームが回転するスタイルで、中国などアジア圏の女性の間で人気に火がついた。同社はその後も自分撮り機能を拡充させた機種を国内外で投入。先月には本体部分と液晶画面付きコントローラーを簡単に分離できる新機種を発売した。

　ニーズを取り込もうとする動きは、他のメーカーでも強まっている。ソニー＜6758＞は８月下旬に、女性を意識し自分撮りに特化したコンパクト機を中国向けに投入すると発表。ニコン＜7731＞は９月中旬に、カメラスタンドやフロントシャッターボタンを搭載するなど操作性を高めた可動液晶モニター搭載モデルを発売することを明らかにした。

　また、こうした動きは他の映像機器にも波及。オリンパス＜7733＞は先月、「自分撮りモード」を搭載したミラーレス一眼カメラを市場投入。キヤノン＜7751＞は今月、自由なスタイルで撮影できるデジタルビデオカメラをリリースしている。