ドル/円109円台が「悪い円安」?
ドル/円相場が約6年ぶりの高値を付ける昨今、巷ではまことしやかに「いい円安、悪い円安」議論が盛んになってきました。
この「いい円安、悪い円安」という議論は、発言する人の立場や環境に帰することが殆どで、内需に依存する企業・集団にとって円安は「悪」であり、輸出が主たる収益源の企業・集団にとって円安は「善」である構図が当てはまることからも、その“利害・損得”によって意見や見方は様々。
ただし、日本経済全体のトータルバランスから考えると、産業構造上円安は株高に繋がりやすく、GDPにとっても株高をもたらす円安は「善」という考え方が主流。
そもそも、109円前後のドル/相場が「行き過ぎた円安」ということになると、例えば第一次安倍政権時の124円台の時の経済状態はどうだったのか、もっと遡れば高度経済成長時のドル/円相場はどうだったのかという話になってしまいます。
しかも、現在の為替相場の環境は日・米・欧通貨当局にとって言わば「三方よし」の状態であり、円安は副次的要素が大であること(=「ドラギ配当」「イエレンボーナス」の側面)、また貨幣数量は物価と正比例するという「フィッシャーの交換方程式」(MV=PT。M:貨幣数量、V:貨幣の流通速度、P:物価、T:一定期間の取引数量)に照らし合わせても、現在の日銀の金融政策は「インフレ」→「通貨安」を目論んでいることは確か。
政策当局の立場やマネタリーアプローチをしっかりと踏まえた上で、「国策(政策)に逆らうべからず」を取引哲学としつつ、安易な「悪い円安」論に乗らないことが得策と考えますが、いかがでしょうか?
この「いい円安、悪い円安」という議論は、発言する人の立場や環境に帰することが殆どで、内需に依存する企業・集団にとって円安は「悪」であり、輸出が主たる収益源の企業・集団にとって円安は「善」である構図が当てはまることからも、その“利害・損得”によって意見や見方は様々。
ただし、日本経済全体のトータルバランスから考えると、産業構造上円安は株高に繋がりやすく、GDPにとっても株高をもたらす円安は「善」という考え方が主流。
そもそも、109円前後のドル/相場が「行き過ぎた円安」ということになると、例えば第一次安倍政権時の124円台の時の経済状態はどうだったのか、もっと遡れば高度経済成長時のドル/円相場はどうだったのかという話になってしまいます。
しかも、現在の為替相場の環境は日・米・欧通貨当局にとって言わば「三方よし」の状態であり、円安は副次的要素が大であること(=「ドラギ配当」「イエレンボーナス」の側面)、また貨幣数量は物価と正比例するという「フィッシャーの交換方程式」(MV=PT。M:貨幣数量、V:貨幣の流通速度、P:物価、T:一定期間の取引数量)に照らし合わせても、現在の日銀の金融政策は「インフレ」→「通貨安」を目論んでいることは確か。
政策当局の立場やマネタリーアプローチをしっかりと踏まえた上で、「国策(政策)に逆らうべからず」を取引哲学としつつ、安易な「悪い円安」論に乗らないことが得策と考えますが、いかがでしょうか?