利益確定売りこなし続伸、JPX400新規採用に買いも
8日の株式相場見通し
あす(8日)の東京株式市場は、お盆休み前の週末とあって、利益確定の売りが予想される。ただ、一方で「きょう取引終了後に発表されたJPX日経インデックス400初の銘柄入れ替えで、新たに採用された31銘柄のなかに
日経平均株価の採用銘柄が多く含まれていることから、新規採用を好感した買いが入った場合、これが
日経平均株価の上昇に寄与する」(市場関係者)との指摘も出ており、全体相場を押し上げて続伸となる可能性もありそうだ。日銀の金融政策決定会合は「現状維持」と見られている。
7日の東京株式市場は、後場半ばから切り返し、先物主導で
日経平均株価は6日ぶりの反発。終値は前日比72円高の1万5232円。東証1部の売買代金は2兆508億円と2兆円を上回った。午後2時過ぎにロイター通信が「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革で、日本株への配分を20%超へ調整する」と報じたことが買い手掛かりとなったようだ。
日程面では、黒田日銀総裁会見、7月の景気ウォッチャー調査、6月の国際収支、6月の特定サービス産業動態統計速報、7月の倒産件数、オプションSQに注目。海外では、中国7月の貿易統計が焦点となる。
7日の動意株
アゼアス<3161>=ストップ高。
西アフリカでエボラ出血熱による感染者が増え続けていることを受けて、感染症防護対策向けの化学防護服を手掛ける同社には需要増への思惑から買いが入っているようだ。株価はPBR0.6倍台を割安感も強く、これが買い安心感にもつながっている。
サイバネットシステム<4312>=後場一段高。
同社はきょう、主要取引先である米シノプシス社の自動車照明設計プラットフォームの国内販売を開始したと発表。きのう発表された第2四半期決算とあわせ、買い手掛かり材料となっているようだ。同社は6日午後1時半に、14年12月第2四半期累計(1~6月)の連結売上高が84億900万円、営業利益が6億6400万円になったと発表。決算期変更のため前年同期との比較はできないが、会社側による比較対象期間を同じ期間に置き換えて算出した数値との比較では、9.4%増収、29.8%営業増益になったとしている。
ミライト・ホールディングス
<1417>=大幅続伸。
8月4日に上ヒゲでつけた年初来高値1189円払拭に向けて動き出している。NTT向けを主力とする通信工事大手だが、「最近はクラウド・コンピューティング市場の拡大に伴い、ICT(情報通信技術)分野の受注が好調で収益を押し上げている」(業界アナリスト)状況にある。14年4~6月期は営業利益段階で前年同期比2.7倍の21億600万円と好調で、上期予想に対する進捗率は70%を超えている。
スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>=急反発。
6日の取引終了後に第2四半期累計(4~9月)連結業績見通しについて、売上高を従来予想の630億~690億円から680~740億円(前年同期比10.3~20.0%増)へ、営業損益を同20億円の赤字~20億円の黒字から40億~70億円の黒字へ、純損益を同13億円の赤字~13億円の黒字から26億~45億円の黒字へそれぞれ上方修正したことが好感されている。家庭用ゲーム機向けソフトウエアのリピート販売が計画より好調であることや、全社的な経費節減を徹底したことなどが要因という。
サンデン<6444>=急反発。
同社は6日取引終了後に15年3月期第1四半期(4~6月)連結決算を発表。売上高768億6500万円(前年同期比16.4%増)、営業利益30億5300万円(同9.5倍)と大幅な増収増益を達成、これがサプライスとなった。自動車機器事業では環境技術を生かした小型・軽量・高効率コンプレッサーによる新規商権を獲得。継続的なコスト削減や現地生産化・内製化などの体質改革活動効果も寄与している。
ディジタルメディアプロフェッショナル<3652>=ストップ高。
同社は6日取引終了後に、15年3月期第1四半期(4~6月)の単独営業損益が7500万円の赤字(前年同期実績は1億4400万円の赤字)になったと発表。赤字幅縮小が好感されているとみられるほか、世界最小GPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)を開発したことを材料に前日まで5日連続のストップ高となった流れも続いているようだ。
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