NISA投資額1兆円超え!

著者:冨田康夫
投稿:2014/06/23 20:09

3月末時点の口座数は650万

金融庁は23日、今年1月から開始した少額投資非課税制度(NISA)の3月末時点の利用状況で、総口座数は650万3951口座になったと発表した。
制度導入時点(1月1日)では475万口座で、そこから3カ月で175万口座、約37%増加したことが分かった。
また、NISAの総買付額は3月末時点で1兆34億4608万円と1兆円の大台に乗せた。商品別内訳では、上場株式が全体の36.3%に対し、投資信託が61.9%と全体の6割以上を占めている。投資家の年代別の口座数をみると60代以上の割合が59.8%と約6割に達した。

サイバダインが急反発、売買代金はアイフルを凌ぐ

サイバーダイン<7779>が3日ぶり急反発。
後場に入りやや伸び悩んだが、前場は1400円高の1万2250円まで値を飛ばす場面があった。本日の売買代金は700億円を超えており、全市場でアイフル<8515>を上回り、ソフトバンク<9984>に次ぐ水準をこなすなど、相変わらずの物色人気ぶりをみせている。
ロボット関連分野は政府与党が成長戦略の要に掲げており、国策関連としてのテーマ性を帯びるなか、医療福祉関連のロボット開発を手掛け、今年3月に鳴り物入りで東証マザーズに上場した同社への注目度は高い。7月末の株主を対象に1株を5株とする株式分割を発表しており、これも買い人気の原動力となっている

その他23日の動意株=SMK、古河機金、山陽特鋼など

 SMK<6798>が大幅反発。
18日には20インチの大型サイズに対応した静電容量方式タッチパネル「Wing Touch20」を開発したことを発表しており、これに対する受注拡大期待で見直されつつある。「Wing Touch20」ではフィルム/フィルムタイプのセンサー構造を採用することで軽量化を実現しており、今までに培ったスクリーン印刷技術を応用することで大型サイズへの展開に成功している。

 古河機械金属<5715>=上値追いに拍車。
15年3月期は最終5.6%増益予想と好調、「産業機械部門が高台移転の復興需要の一巡で国内は伸び悩むものの、海外販売は一段と増勢でこれを補う公算が大きい」(業界アナリスト)という。一方、商業ビルについては、再開発した日本橋の自社ビルが満室状態、下期から稼働するなど収益寄与が本格化する。株式需給面では今月初旬に信託銀行経由で同社株を大量保有する動きが確認されており、上値思惑が膨らんでいる。

 山陽特殊製鋼<5481>=3日続伸。
ここ戻り足鮮明で上値抵抗帯となっていた440円台を突破、13週・26週移動平均線のゴールデンクロスも接近しており、中期トレンドでも上昇転換を暗示している。自動車向け鋼材需要が好調で、軸受け鋼の市場シェア4割を誇る同社にもその恩恵は及んでいる。

 アーク<7873>=ストップ高。
今朝のNHKニュースで、オリックス<8591>は、経営の立て直しを進めてきた大阪の金型メーカー「アーク」を買収する方針を固めたと報じられたことを材料視している。この報道に対してアークでは、「当社が発表したものではない。当社株式取得については、本日開催の取締役会において方針を審議する予定であり、決定したら速やかに開示する」とのコメントを発表している。

 山一電機<6941>=3日ぶりに反発。
半導体メーカーの設備投資マインドの回復を受け、収益の柱を担う半導体検査用ソケットが受注を伸ばしている。また、自動車の電装化進展で、電子部品点数が増勢、同社のコネクター部門も車載向けに改善が急となっている。ファンダメンタルズ面でも12年3月期、13年3月期の大幅最終赤字体質から脱却を果たし、継続企業の前提に関する注記についても前期末に解消していることで買い安心感が浮上している。

 河西工業<7256>=5日ぶり急反発。
日産自動車<7201>は独ダイムラーとメキシコで小型高級車を共同生産することを決めたと22日付の日本経済新聞が報じており、海外での高級車ブランド「インフィニティ」生産体制強化の動きを強めている。そのなか、日産自向けを主力とする自動車部品会社で、自動車販売好調な北米やアジア向けに自動車内装部品の受注を伸ばしている同社にも連想買いが働いたかたちだ。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想