雇用統計でドルは買われるか?

著者:柳澤浩
投稿:2014/06/06 15:59

膠着感を抜け出す為には・・・・

 ドル円は昨日から、急に上値の重い展開となりました。これはECBの利下げ観測がユーロ円の上値を抑えた事が一つの要因だったのだと思われますが、ECB利下げ発表後に、ユーロ円が反発しても、ドル円の上値は抑えられたままの状態となっており、逆にドルの上値の重さを意識せざるをえません。

 米10年国債利回りは、先週木曜日に2.40%まで下落した後に上昇を続け、昨日、2.64%台を記録しましたが、その後低下に転じており、取り敢えず、行き過ぎた低下基調の調整も一服した様に思われ、今後、再び下落基調に戻る様なら、ドル円の上値も重くなりそうです。

 今夜は、米5月雇用統計の発表が注目されていますが、イースター休暇シーズンの影響もあって、非農業部門雇用者数は21.5万人増に留まりそうです。先月、28.8万人増と予想を大幅に上回ったものの、ドルの上昇は一時的、小幅なものに留まり、市場に失望感を与えました。

 この為、今回もドルの上昇基調が強まる事は、余り期待できない様に思われます。この膠着感を抜け出す為には、先月の数字の様な強い数字が必要です。もし、かなり強めの数字が2ヶ月連続で出て来ると、米国債利回りが上昇し、これを受けてのドル買いが強まるかもしれません。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想