年末に向けてマーケット展望と注意点「個人投資家の持ち株比率に注目」
■年末に向けて今後のマーケットはどう動く?
11月8日(金)にNTT(東1・9432)など398社が中間決算を発表し、主要企業の4~9月期決算発表が山場を迎えますが、業績発表が一巡する11月中旬には日本株の割安感が意識され、外国人投資家による資金流入が期待できるでしょう。
市場関係者の推計によると、今期の日経平均株価の予想PERが「14.6倍」になるという試算があります。最高値更新を続ける米国のS&P500種指数は「15.8倍」、欧州の主要国も「16倍」程度と見られますので、通期業績の上方修正が出され、主要各国に対して日本株の割安感が出てくれば、見直し買いも入りやすいといえるでしょう。
また、上場企業の2014年3月期の営業利益(金融・電力など除く)は前年同期比27%増加するという日本経済新聞の試算もあり、これで上場企業の利益は、リーマンショック前の最高値の9割近くに回復するということになります。(リーマンショック前の)2007年に付けた日経平均株価の高値は「18261.98円」ですから、利益が当時の9割近くに回復するのであれば、当然株価もその9割程度まで戻っても不思議ではないでしょう。当時の高値に×0.9倍をすると「16435.78円」となります。年内に向けてぜひともこの水準を目指して貰いたいものですね。
その他、12月上旬には消費税増税の景気への影響を抑えるために出される、5兆円規模の経済対策の詳細が明らかになる見通しですので、政策期待から日経平均株価「16435.78円」もあり得ない数字ではないと思います。
■「証券優遇税制」の終了に伴う注意点とは?
一方、注意しなければならないのが、12月末で期限を迎える「証券優遇税制」です。原則20%かかる株式譲渡益にかかる税金(キャピタルゲイン課税)が、今年12月までは時限的措置で10%に引き下げられていましたが、来年から本則の20%に戻ります。増税に伴い、すでにコロプラ(東マ・3668)の馬場社長など、上場企業のオーナーたちは、税金が安い今年のうちに保有株の売却を進めていますが、個人投資家の多くは12月に入ってから換金売りを出すことが予想されています。
つまり、個人投資家の持ち株比率が高い銘柄は、12月末にかけて換金売りに押されやすいといえるでしょう。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランド(東1・4661)は、株主優待目的で長期保有する株主が多いことが知られていますが、同社のような個人投資家の保有が多い銘柄は、この先年末にかけて売り圧力が大きくなることが考えられるため、これを逆手にとって、「売り」から入る戦略も有効でしょうか。
また、来年1月1日にはキャピタルゲイン課税の増税と合わせて、少額投資非課税制度(NISA)も始まります。NISAは100万円までしか非課税にならないため、オリエンタルランドは予算オーバーで買えませんが、10万円程度の小口でも買える銘柄はNISAにはぴったりです。そういった銘柄を配当や優待目的で長期保有するのであれば、NISA口座で保有するほうが税制面で有利ですので、単元が10万円程度の銘柄は一旦売って、年明けにNISA口座で買い戻す動きも想定されます。
個人投資家の持ち株比率が高い銘柄は、年末の駆け込み売却にくれぐれも注意しましょう。
小野山 功
※掲載されております情報には、一部、推測の域を出ない情報も含まれます。また、情報の正確性について一切の保証は致し兼ねますので、ご注意下さいませ。
※ホームページ上、メール上での提供情報はあくまでも情報の提供であり、売買指示ではございません。実際の投資商品の売買におきましては、自己資金枠等を十分考慮した上、ご自身の判断・責任のもとご利用下さいませ。
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11月8日(金)にNTT(東1・9432)など398社が中間決算を発表し、主要企業の4~9月期決算発表が山場を迎えますが、業績発表が一巡する11月中旬には日本株の割安感が意識され、外国人投資家による資金流入が期待できるでしょう。
市場関係者の推計によると、今期の日経平均株価の予想PERが「14.6倍」になるという試算があります。最高値更新を続ける米国のS&P500種指数は「15.8倍」、欧州の主要国も「16倍」程度と見られますので、通期業績の上方修正が出され、主要各国に対して日本株の割安感が出てくれば、見直し買いも入りやすいといえるでしょう。
また、上場企業の2014年3月期の営業利益(金融・電力など除く)は前年同期比27%増加するという日本経済新聞の試算もあり、これで上場企業の利益は、リーマンショック前の最高値の9割近くに回復するということになります。(リーマンショック前の)2007年に付けた日経平均株価の高値は「18261.98円」ですから、利益が当時の9割近くに回復するのであれば、当然株価もその9割程度まで戻っても不思議ではないでしょう。当時の高値に×0.9倍をすると「16435.78円」となります。年内に向けてぜひともこの水準を目指して貰いたいものですね。
その他、12月上旬には消費税増税の景気への影響を抑えるために出される、5兆円規模の経済対策の詳細が明らかになる見通しですので、政策期待から日経平均株価「16435.78円」もあり得ない数字ではないと思います。
■「証券優遇税制」の終了に伴う注意点とは?
一方、注意しなければならないのが、12月末で期限を迎える「証券優遇税制」です。原則20%かかる株式譲渡益にかかる税金(キャピタルゲイン課税)が、今年12月までは時限的措置で10%に引き下げられていましたが、来年から本則の20%に戻ります。増税に伴い、すでにコロプラ(東マ・3668)の馬場社長など、上場企業のオーナーたちは、税金が安い今年のうちに保有株の売却を進めていますが、個人投資家の多くは12月に入ってから換金売りを出すことが予想されています。
つまり、個人投資家の持ち株比率が高い銘柄は、12月末にかけて換金売りに押されやすいといえるでしょう。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランド(東1・4661)は、株主優待目的で長期保有する株主が多いことが知られていますが、同社のような個人投資家の保有が多い銘柄は、この先年末にかけて売り圧力が大きくなることが考えられるため、これを逆手にとって、「売り」から入る戦略も有効でしょうか。
また、来年1月1日にはキャピタルゲイン課税の増税と合わせて、少額投資非課税制度(NISA)も始まります。NISAは100万円までしか非課税にならないため、オリエンタルランドは予算オーバーで買えませんが、10万円程度の小口でも買える銘柄はNISAにはぴったりです。そういった銘柄を配当や優待目的で長期保有するのであれば、NISA口座で保有するほうが税制面で有利ですので、単元が10万円程度の銘柄は一旦売って、年明けにNISA口座で買い戻す動きも想定されます。
個人投資家の持ち株比率が高い銘柄は、年末の駆け込み売却にくれぐれも注意しましょう。
小野山 功
※掲載されております情報には、一部、推測の域を出ない情報も含まれます。また、情報の正確性について一切の保証は致し兼ねますので、ご注意下さいませ。
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