「2度のサイドブレーキ」 悲鳴にも似たエンジン音とともに走り出した“盗んだ車”だが、早くもヘンな臭いがし始めた。「何か焦げくさくね?」――3人はお互いの顔を見つめ合った。そう、何とサイドブレーキを踏んでいたのである。3人同時にアクセルを踏んだと思ったら、そのうちの1人がサイドブレーキに足をかけていた。「焼け死にてぇのか!」――パシリのなかでもリーダ―格である黒田が叫ぶ。「2回で良かった。3度踏んでたら命はなかったぜ」