・日本の株式市場で、6月に一時キオクシアホールディングス <285A> の時価総額(44兆円)がトヨタ自動車 <7203> (43兆円)を抜いてトップとなった。東芝から分社し、半導体メモリーが好不況の波で大きく変動する中で、ベインキャピタルのもとで再生を期した。
・2023年にはメモリー不況で赤字に苦しみ、2024年12月に上場した時の時価総額は8600億円であった。1年半で44兆円まで急拡大した。2025年に顕在化したAI(人工知能)ブームが空前の業績に結び付き、それが一気に表面化した。日本にもこんな会社があったのかと驚嘆した。
・その時のソフトバンクグループ <9984> (SBG)の時価総額は37兆円(3位)、東京エレクトロン <8035> は32兆円(5位)で、両社の株価上昇も目を見張るものであった。ここなら個人投資家も株主となることができたと思う。経営トップの先見性や事業の競争優位性を理解できよう。
・キオクシアの時価総額44兆円に対して、韓国の半導体メモリー企業SKハイニックス
・SKハイニックスは業界再編の中で、HBM(High Bandwidth Memory:広帯域幅メモリー)の技術で先行した。AI時代のエヌビディア
・日本ではSBGの孫さんの先見性が群を抜いている。先見的であるがゆえに、AI関連への集中投資が無謀のようにもみえた。それが3~5年で大きなトレンドとなっている。
・失敗もあるが、これは個別の投資の話であって、メガトレンドの中で独自のポジションを得る手法は30年来成功している。半導体チップの設計技術に優れたアーム・ホールディングス
・5年前にエヌビディアの株を買い、現在も持っている人はいよう。1年前にキオクシアに投資して、今も株主でいる人もいよう。でも、ほとんどの投資家はチャンスを逃した。あるいは、少し上がったところで利益確定をしてしまったかもしれない。6月のスペースX
・AIは身近になっている。スマホで便利に使える。仕事でも、AIの活用が本格的に始まっている。生産性が上がり、時間が有効に使えるようになるので、別の新しい仕事ができるようになる。あるいは、今までやってきた自分の仕事がAIに代替されて、なくなってしまうかもしれない。AIによる失業も始まっている。
・一方で、人手不足はますます深刻化しよう。仕事はある。でも、その仕事は自分に合っているか。十分稼げるのか。やりたい仕事につくには、スキル(うで)をみがく必要がある。転職は簡単にできるようになっているが、やりがいのある仕事、働き易い仕事となると、自分に合ったものを見出すのは意外に難しい。
・まずは、何ができるかという自分の能力を改めて確認する必要がある。次に何をやりたいかという内容をはっきりさせる必要がある。それに足らないスキルはホップ、ステップ、ジャンプで学習し、身に付けていく必要がある。
・それでも思うようにならないことが多い。趣味と生活の糧と将来の金融資金への投資はコツコツと持続することが要諦である。
・AIのリスクはどうか。米国では、GAFAMに次ぐエヌビディア、オープンAI、アンソロピックといった次の巨大企業が次々と登場している。スペースXもフィジカルAIに大型投資をしてこよう。
・フィジカルAIとは、デジタル空間だけでなく、物理的な現実の世界で、実際にAIを活用して、ものごとを動かす。これまでの世界でいえば、コンピュータ付の機械ロボットで、コンピュータにAIが組み込まれて、自動的にものごとがオペレーションされる。
・日本はものづくりが得意であった。製造業の生産性は高い。一方で、サービス業の生産性は米国に比べて著しく低い。米国では量産型の製造業は海外に出てしまった。それを今、自国に取り戻そうとしているが容易ではない。
・日本では得意のものづくりにAIを組み込み、サービスの分野でもAI主導で生産性を大幅に引き上げることが求められている。こうすれば、10年先の人手不足にもかなり対応できるようになろう。
・ところが、AIがヒトのいうことをよく聞いて、定められたルールの中で、よい方向に作動してくれればよいが、悪いやつの指示に従って、ルールを破って犯罪に加担するようになったら事態は深刻である。
・サイバーセキュリティの犯罪が一段と増えている。2025年の調査(JIPDEC)によると、日本企業のランサムウェア(身代金要求型ウイルス)攻撃の被害は500社を超えて、そのうち6割が身代金を支払っても、システムやデータの復元ができなかったという。
・なぜセキュリティが破られるのか。まずは、やるべきことをやっていない。次に、やるべきことを相当やっていても、どこかにスキがあり、そこから入り込まれてしまう。それが、これまでの動きであった。
・ここにAIが登場してきた。AIのレベルが一気に上がっている。アンソロピックのAI(Claude Mythos:クロード・ミュトス)は、AIのレベルが上がりすぎて、サイバー攻撃のリスクが従来に比べて、大幅に上がってしまったと、会社側では認識した。これを利用すると、これまでのセキュリティが容易に破られてしまうかもしれない。
・犯罪に使われたら、社会的大混乱が起きる。よって、まずこのAIのサービス提供を一旦止めて、何らかの規制を検討すべしと提言した。
・これはヤバイ。量子コンピュータにいく前に、AIの知識レベルがこれまでのシステム開発の防衛レベルを超えてきた。どうすればよいか。新たな防衛システムを創るためのイノベーションを急ぐ必要がある。
・イノベーションは常にデュアルユースである。いいことにも悪いことにも使える。民需にも軍需にも使える。防衛にも攻撃にも使える。
・人々のウェルビーイング(幸福度)を高めるために役立つならよいが、特定のワンマンが自らの権力を誇示するために武器として用いるなら、核兵器と同じことになる。AIの経済安全保障が一段と重要になろう。
・デュアルユースを見つめながら、ウェルフェアを高めるAI戦略に優れた企業に大いに投資したい。特定のAI企業を見出すことが難しいならば、AIのテーマ型ETF(上場投資信託)などに投資しておくことが順当であろう。
関連銘柄
| 銘柄 | 株価 | 前日比 |
|---|---|---|
|
285A
|
12,880.0
(10/15)
|
-1,810.00
(-12.32%)
|
|
7203
|
3,029.0
(10/15)
|
+18.00
(+0.59%)
|
|
8035
|
10,365.0
(10/15)
|
-875.00
(-7.78%)
|
|
9984
|
4,852.0
(10/15)
|
-499.00
(-9.32%)
|
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