米経済指標の予想比上振れ傾向続くか否か

著者:菊川弘之
投稿:2012/10/19 10:58

200日移動平均線の攻防にも注目

昨日は、中国主要経済指標発表で3QGDPは市場予想通りの減速に留まったものの、小売売上高、鉱工業生産など、前年比で前月および市場予想を上回る伸びとなり、景気減速一服・底打ち期待感が高まった事でリスクオンの動きが強まった。
 昨晩の米新規失業保険申請件数は市場予想以上の反動増となったものの、フィラデルフィア連銀サーベイや景気先行指数が予想以上の回復を示したことから、米長期債利回り上昇がドル円を押上げた。ただし、米株価が引けにかけてグーグル決算を受けて反落した事で、ドル円の上値も抑えられた。

 本日はEU首脳会合(2日目)、米中古住宅販売件数が注目。足もとのドル買い要因となっている米経済指標の予想比上振れ傾向・米長期債利回り上昇が継続するか否かが焦点。米中古住宅販売に対する事前予想は、先月の大幅改善から若干低下予想だが、予想範囲内であれば影響は限定的か。EU首脳会合は先日書いたように、スペイン支援要請に向けた進展がみられるか否か。

 テクニカル面からは、200日移動平均線の攻防が焦点。8月に200日移動平均線を上抜いた時には、一目均衡表の雲で上値が抑えられたが、今回は既に雲の上限を上抜いている。3月高値~9月安値までの下げ幅に対する38.2%戻しは79.81円水準。心理的節目の80円を明確に抜いてくると、チャート上の底打ち感は高まる事になる。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想