投資で儲けてモテモテ?

著者:菊川弘之
投稿:2012/10/18 10:30

本当に大事なのは。。。

「投資で大儲けして、女の子に大モテ」。男なら投資を行う前に一度は考える事もかもしれません(笑)。まぁ考えるのは自由だが、相場の世界は98人のお金を2人がくすねるゲーム(シカゴ格言)。投資を使ってモテるなど極めて「空想・妄想」に近いが、こんな例があった。ご紹介したい。
 2007年上海取引所主催のパーティー(上海シャングリラホテル)に、ひときわ目立つ若者がいた。両脇に絶世の美女を携えたT-シャツ姿。この彼は、元ホテルのボーイだったが、投資で儲けて、取引所から大口投資家の一人として招かれるまでになっていた。「アメリカンドリームならぬチャイニーズドリームだよ」と誰かがつぶやいた。中国では四大美女(楊貴妃・西施・王昭君・貂蝉)と言うが、さすが13億の人口大国。選ばれし美女たちのレベルも高かった。
 一見すると「相場で大儲け→モテル」と言う構図に見えるかもしれないが、美女が群がるのは儲けた「彼」ではなく、儲けた「お金」。「カネの切れ目が、縁の切れ目」とは良く言ったもので、リーマンショックを経て、彼の回りから美女の姿は消えた。

「富足る」→「驕慢」→「奢侈」→「淫暴」→「禍変」→「困窮」→「後悔」→「難苦」→「節倹」。

 この流れは、時代が変わろうが、国が異なろうが共通する。人間心理が相場を形成する限り、人類は過去から何も学ばない。バブルは繰り返し起こり、その度に破裂する。「禍は足るを知らざるより大なるはなし」と言う。人間の欲望に際限はない。儲かれば儲かるほど儲けたくなるが、ほどほどを通り過ぎてしまうと、いつか魔の時間帯に入ってしまう。

 「投資で儲けてモテモテ」。相場の波に一時的に乗れば可能であろう。ただし、カネだけに群がる美女達に本当の価値はあろうか?全てを失った時に、残った彼女、付いてきた彼女。人生の伴侶として選ぶべきは、こちらの方だよ。若者たち!

 前述した中国の彼、大負けした後に良き伴侶を得て、リーマンショックの傷を乗り越え、再びリベンジの道を歩んでいると聞く。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想