「トランプ政権誕生が日本企業にメリットをもたらす!」
●東京市場は米国株高に連動して上昇へ
新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
早速だが、2025年の東京市場&日本株はどうなるのか。まず言えるのは「今年も不確実で不透明な年になる」ということだ。どの分野でも毎年使われるこの文言とともに株式市場も始まることになるが、まず年初から昨年とは大きく異なる点がある。
昨年の年初は、新NISA(少額投資非課税制度)開始への期待感が大きく、書店の棚は新NISA関連の書籍で埋まり、ネットにも新NISA対策関連の情報があふれていた。そして実際、新NISAブームが沸き起こり、高配当・安定配当銘柄を中心に爆発的な買いが入って、日経平均株価も急騰劇を演じたのはご存じの通りだ。
しかし、今年は残念ながらそれは望めず、あるのはトランプ政権の誕生に対する「懸念と期待」だ。昨年とのあまりの違いに困惑してしまうのが正直なところだが、株式投資をしている以上、困惑ばかりもしていられない。「懸念と期待」と記したように、ぜひ気づいて欲しいのは「懸念」ばかりでなく、「期待」もあることだ。
では、どんな期待があるのか。トランプ氏はややオーバーな表現ながら、自由主義諸国のほとんどの国と対立する政策を推進することに積極的。友好な関係を築きたがっている国は、北朝鮮やロシアであるような印象さえある。その中で唯一と言ってよいほど米国寄りなのは日本であり、米国は日本の存在を無視できないばかりか、親密な関係を保とうとすることが考えられる。当然、日本企業の米国での展開=製品販売、工場建設などにも理解を示すと見てよく、日本企業にとってはこれまで以上に米国での事業展開がやりやすくなる。こんな見方ができる。
しかも幸い、米国は利下げ方向であり、2025年もそれは続き、少なくとも年2回の利下げが見込めることから米国株高が想定される。東京市場もそれに連動する確率が高いと見るのが自然でもある。その一方で、注意を払いたい材料もある。トランプ氏はウクライナ・ロシア戦争の終結に意欲をみせている。世界平和の観点からはもちろん終戦が望ましいが、株式市場はときに常識とかけ離れた反応を見せることがある。軍事産業や関連する企業の株価が影響を受ける可能性があることは頭の片隅においておきたい。
では、このような投資環境下で、どんな銘柄に投資できるか。寝ていても稼いでくれる銘柄候補としては、次のような銘柄がある。
◆北浜氏のお薦め「2025年ポートフォリオ10銘柄」
〇トヨタ自動車 <7203> [東証P]
2024年の 自動車株はトヨタをはじめほとんどが期待外れに終わった。ダイハツやトヨタの認証不正問題が発覚、製造・出荷の停止が響いてしまったからだ。しかし、今年も続くことはないだろう。米国だけでなく国内での製造・出荷も正常化。株価は昨年の低迷から切り返すだろう。
〇スズキ <7269> [東証P]
自動車株の中で、昨年スズキ株は異例の強さをキープした。中国から撤退、インドに注力という独自路線を今年も徹底すると見てよく、株価は続伸する確率が高い。
〇リクルートホールディングス <6098> [東証P]
私は事務所で一日中テレビをつけっぱなしにして仕事をしているが、ふるさと納税関連企業のCMとともに、一日に何度もお目にかかるのがリクルートのCMだ。求人情報サービスのポータルサイト「Indeed(インディード)」のCMは就職、転職活動をしていない人でもよく見聞きするはず。利用者は増加を続けているため、株価はすでに高いものの、今年もさらなる高値を目指すことになろう。
〇TOYO TIRE <5105> [東証P]
タイヤメーカー国内4位ながら、この会社には強みがある。国内より米国での販売に強く、しかも主力製品がSUV用大口径タイヤになる。米国タイヤ市場を知り尽くした経営戦略であり、今後も需要拡大が見込めることで株も期待が持てる。
〇共立メンテナンス <9616> [東証P]
企業や自治体などの社員寮運営、ホテルの両輪経営で知られる企業。現在の注目材料はビジネスホテル運営。出張族の間で好イメージのビジネスホテル「ドーミーイン」の集客力は高く、株価はもっと評価されてよい。
〇ソニーグループ <6758> [東証P]
半導体イメージセンサーで世界首位であるとともに、金融、映画、音楽、ゲームへ展開。米国で「日本企業といったらソニー」と言われるほどのブランド力は貴重。株価は最高水準でモタついているが、間もなく上抜くことに。
〇ALSOK <2331> [東証P]
警備サービス業界2位。今年は大阪・関西万博が開催される。万博は4月13日から半年間に及ぶ。年初の時点では前売り券の販売が不振とのことながら、たとえ少々不振でも絶対に欠かせないのが警備スタッフだ。それを供給するのが同社をはじめとする警備会社。半年間の特需が発生することになるため、株も市場環境が正常なら株高必至だ。
〇三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]
日銀は昨年8月に金利を引き上げた時のショック安で、さすがに再度の利上げに慎重だ。しかし、今年中ということなら、早ければ今月、遅れても3月までには1度は引き上げる可能性がある。金利上昇でメリットを受ける金融株は、三菱UFJがリードする形で地方銀行まで一斉高が見込める。
〇日立製作所 <6501> [東証P]
総合電機・重電最大手ながら選択と集中を積極的に進め、米国でIT分野への展開を果たした。その成果はすでに出ており、最近ではエヌビディア
〇yutori <5892> [東証G]
ファッションECサイト「ZOZO」の傘下にあって、30ものアパレルブランドを展開する。社員の平均年齢25.7歳という若さとセンスを武器に積極展開を続けており、今後の成長力に期待したい。株価はいまのところ低迷中ながら、春の足音が聞こえてくるにつれ浮上が見込める。
2024年12月27日 記
株探ニュース
関連銘柄
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7203
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