ダウ平均は小幅続落 上げ維持できず下落も下押す動きまではない=米国株序盤

著者:MINKABU PRESS
投稿:2025/01/01 03:12
NY株式31日(NY時間12:58)(日本時間02:58)
ダウ平均   42556.10(-17.63 -0.04%)
ナスダック   19383.83(-102.96 -0.53%)
CME日経平均先物 39480(大証終比:-420 -1.06%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は小幅続落。序盤は反発して始まったものの上げを維持できずにいる。しかし、本日は前日のような下押す動きまではなく、下げ渋る動きも出ている。年末で動意薄の展開ではあるが、来年に向けて上昇して今年を締めくくれるか後半の動きが注目される。

 今年の米株式市場は主にAIの画期的な進歩に関する期待に煽られ、S&P500は年初来で24%上昇している。FRBが利下げに踏み切ったことで米株式市場は恩恵を受けた。借入コスト低下により、経済成長への期待感が高まった格好だが、FRBは9月以降、計1.00%ポイント政策金利を引き下げている。ただ、来年も追加利下げが予想されているが、ペースは当初の予想よりも鈍化する可能性が高まっている状況。

 11月のトランプ氏の大統領選の勝利も市場にとって追い風となった。規制緩和、法人税率の引き下げなどが、底堅い米経済への期待を高めている。また、仮想通貨に寛容な政権との期待から、ビットコインが10万8000ドルを超える過去最高値を更新。また、マスク氏がトランプ大統領と緊密な関係にあることから、テスラ<TSLA>も選挙の大きな勝者となった。

 しかし、年後半になって上昇ペースの速度に懸念も生じ、トランプ氏の関税などの保護主義政策や、FRBの追加利下げ期待の後退など、様々な要因を不安視する投資家が増えたことから、第4四半期には上昇ペースが鈍化している。

 ただ、大半のストラテジストは来年の下落を予想していない。来年のS&P500は7000を目指すとの見方も出ている。

 一方、慎重な声も出ており、米株式市場は調整の可能性が高まっているとの指摘も出ている。株高の主な材料はすでに織り込まれており、時間が経つにつれて失望感が高まり、S&P500は調整する可能性があるとの指摘も出ている。S&P500が2年連続で20%超上昇するのは史上2度目で、1度目は1998年と1999年だが、次の年の2000年にはITバブルが弾けていた。

 重篤な神経疾患のゲノム医療を手掛けるサンガモ・セラピューティクス<SGMO>が急落。ファイザー<PFE>が同社との血友病Aの新しい遺伝子治療の開発提携を解消した。

 バイオ医薬品のベラステム<VSTM>が大幅高。FDAが、同社の再発性の低悪性度しょう液性卵巣がんの新薬承認申請を優先審査対象として受理したと発表した。

 金融機関向けシステム開発のコンポセキュア<CMPO>が上昇。新たに設立された部門であるリゾリュ―トの分社化計画が発表された。

 消費者金融のデイブ<DAVE>が下落。米連邦取引委員会(FTC)が、同社に対する訴訟を米司法省に委ねると発表した。

 バイオ医薬品のアカディア・ファーマ<ACAD>が大幅高。S&P小型株600の構成銘柄に採用された。

 航空関連資産を所有管理するFTAIアビエーション<FTAI>が大幅高。同社は前日に、機関投資家との戦略的資本イニシアティブを開始すると発表。

 住宅REITのアパートメント・インベストメント&マネジメント<AIV>が上昇。総額5億2000万ドルでブリッケルベイの物件を売却する契約を締結したと発表した。

サンガモ<SGMO> 1.06(-1.28 -54.70%)
ベラステム<VSTM> 5.16(+1.49 +40.60%)
デイブ<DAVE> 86.23(-8.24 -8.72%)
アカディア・ファーマ<ACAD> 18.49(+1.80 +10.75%)
FTAI<FTAI> 146.59(+20.09 +15.88%)
アパートメント・インベストメント<AIV> 9.02(+0.63 +7.45%)

アップル<AAPL> 250.48(-1.72 -0.68%)
マイクロソフト<MSFT> 423.27(-1.56 -0.37%)
アマゾン<AMZN> 220.62(-0.69 -0.31%)
アルファベットC<GOOG> 191.58(-1.11 -0.58%)
テスラ<TSLA> 411.78(-5.63 -1.35%)
メタ<META> 588.85(-2.40 -0.41%)
AMD<AMD> 120.92(-1.52 -1.24%)
エヌビディア<NVDA> 135.12(-2.37 -1.73%)
イーライリリー<LLY> 770.00(-3.84 -0.50%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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