本格普及期へ突入、テスラ効果で「自動運転関連」は大相場確変モード <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2024/12/23 19:30

―米IT大手が来年から東京で実証実験を開始、自動車メーカーなど大手の取り組みも相次ぐ―

 自動運転の本格的な普及に向けた期待が高まりつつある。法改正などを受けて企業の取り組みが活発化していることが背景にあり、直近では国内企業と米IT大手による注目の実証実験の発表があった。株式市場でも 自動運転のテーマには継続的に投資家の関心が向かっている。来年発足する米新政権の政策期待が意識され、これを手掛かりにしたテーマ物色の流れも出始めている。数多くある関連銘柄を総ざらいした。

●米新政権巡り思惑加速、テスラ株急騰

 配車アプリ大手のGO(東京都港区)は17日、日本交通(東京都千代田区)、米アルファベット傘下のウェイモと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。来年に東京でウェイモの自動運転技術を公道に導入するためのテストを行うという。人口減少や労働力不足の中で地域の移動手段を改善させることを目指し、3社で協力して日本での導入を加速していく構えだ。

 自動運転を巡る取り組みは今後ますます広がることが予想されるが、これを更に後押しすると期待される出来事が年明け早々に起こる。それが米国でのトランプ新政権の誕生だ。同政権下ではさまざまな分野の規制緩和が進むとみられている。電気自動車(EV)から自動運転車へ事業の軸足を移しつつある米テスラのイーロン・マスクCEOがトランプ氏の政策助言役に起用されたことが話題となるなか、これによって自動運転分野の規制が緩和され、関連市場が活性化するとの見方が強まっている。

 株式市場ではこの見方を背景に思惑買いが加速している。テスラの株価は大統領選の大勢が判明した11月6日に14%超高と急伸。その後も上昇基調を続けて2021年11月の高値(414.49ドル)を通過し、12月18日には488.54ドルの上場来高値をつけた。大統領選当日の終値(251.44ドル)から2倍近い上昇だ。同時期の他の自動運転関連株をみても、米オーロラ・イノベーションは約1.6倍、イスラエルのモービルアイ・グローバルは約1.3倍と値上がりしている。

●トヨタ・NTTがタッグ、いすゞは新東名で実証

 東京市場でも関連銘柄の動向が注目される。日本では23年4月に改正道路交通法が施行され、特定の条件下で無人運転が可能な「レベル4」が解禁。自動車メーカーをはじめ大手企業を中心に研究開発や実証実験の動きが活発化している。トヨタ自動車 <7203> [東証P]は10月、日本電信電話 <9432> [東証P]と交通事故ゼロに向けたAI・通信基盤の構築で合意したと発表した。自動運転や運転支援システムの開発、ヒト・クルマ・インフラから得た情報で死角を減らす取り組みなどを行う基盤として来年から開発をスタートさせ、30年以降の普及拡大を目指す。

 いすゞ自動車 <7202> [東証P]は新東名高速道路で大型トラックを用いた自動運転技術の公道実証を始めたと11月に発表。レベル4トラックの実現に向けて技術開発を加速させる方針だ。日産自動車 <7201> [東証P]との経営統合報道で関心を集めるホンダ <7267> [東証P]は今月19日、来年1月に開催されるテクノロジー見本市「CES」の出展概要を明らかにした。新たなEVの試作車2種や独自の車載OSを公開するほか、自動運転技術がもたらす提供価値を紹介するという。

 運送業界ではヤマトホールディングス <9064> [東証P]が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業として、レベル4トラックを用いた実証実験の今年度中の実施を推進。SGホールディングス <9143> [東証P]もセイノーホールディングス <9076> [東証P]、自動運転ベンチャーのT2(東京都千代田区)と組んでレベル4トラックの実証実験を行っており、東京・大阪間の高速道路の一部で今年10月から来年6月にかけて実施する。このほか、自治体との自動運転実証で多数の実績を持つNTT傘下のNTTビジネスソリューションズ、自動運転用特殊塗料「ターゲットラインペイント」を手掛け、大阪・関西万博の来場者輸送に向けた自動運転実証実験に提供するなど実績を積む日本ペイントホールディングス <4612> [東証P]からも目が離せない。

●中小型株も注目、遠隔走行支援システムのソリトンなど

 関連中小型株ではアイサンテクノロジー <4667> [東証S]の人気が高い。測量・土木関連ソフトの開発を主力に自動運転分野にも注力し、高精度3次元地図データベースの構築や大手企業との実証実験で豊富な実績を持つ。自社株買いを発表した11月半ばを起点に株価は上昇を開始。KDDI <9433> [東証P]などと共同で自動運転車やドローンなどを使った荷物配送の実証に成功したと発表するなど個別材料も手掛かりに上げ足を速め、11月半ばから1ヵ月ほどで一時2倍程度に株価を膨らませた。

 同じく車載向けで実績のあるソフト開発企業も要マークとなる。システナ <2317> [東証P]を筆頭にイーソル <4420> [東証S]、ソーバル <2186> [東証S]、ヴィッツ <4440> [東証S]、フィーチャ <4052> [東証G]が挙げられる。

 このほか、名古屋大学と共同で自動運転を遠隔から簡易な操作で走行支援できるシステムを開発したと直近発表したソリトンシステムズ <3040> [東証P]、自動車業界向けの生成AIサービスを強化する方針を示したヘッドウォータース <4011> [東証G]に注目。また、地図大手のゼンリン <9474> [東証P]、人工知覚技術の研究開発を手掛け自動運転分野にも展開するKudan <4425> [東証G]、自動運転ベンチャーに出資した実績があるHEROZ <4382> [東証S]にも目を向けておきたい。

株探ニュース
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